2019年2月16日(土)

エジプト大統領が憲法令撤回 反対派「国民投票応じぬ」

2012/12/10付
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【カイロ=押野真也】エジプト情勢の緊迫が続いている。モルシ大統領は8日、自身が発布した強権的な内容の憲法令(暫定憲法に相当)を撤回したが、反大統領派はこれに納得せず、15日に実施予定の新憲法案の是非を問う国民投票をボイコットする方針を表明。反大統領デモも継続する構えで、投票日までに両者の緊張が一段と高まる可能性もある。

モルシ大統領は8日、批判が高まっていた自身の政治権限を大幅に強める憲法令を撤回する一方、新憲法案の是非を問う国民投票は、予定通り15日に実施すると表明した。

これに対し、反大統領派の主要組織である「国民救済戦線」は9日夜(日本時間10日未明)に大統領との対話を拒否する声明を発表。国民投票をボイコットするとともに、11日に反大統領デモを実施すると呼び掛けた。

救済戦線側は記者会見で「(2011年2月にムバラク政権を倒した)革命は、モルシ大統領に乗っ取られた」と大統領の強権姿勢を批判。新憲法案は、大統領が所属するイスラム原理主義組織の主導で起草されたものであり、正統性はないと主張した。

モルシ大統領は声明で「憲法案への反対は(国民)投票で示すべきだ」としており、両者の主張は対立したままだ。政権側は反大統領デモの拡大を警戒し、大統領宮殿に通じる道路を大型のコンクリートブロックで封鎖するなど、警備体制を強化している。

両者の緊張の高まりを受け、軍は暴力的な衝突を「容認しない」との声明を発表し、双方をけん制。新憲法案を巡る混乱が拡大するなか、軍が再び政治介入を強める懸念も強まっている。

モルシ大統領は先月、新憲法が制定されて国会が選出されるまで、大統領が出す法令への異議申し立てを認めないなどとする憲法令を発布。反発が広まり、衝突で死傷者も出ていた。

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