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北朝鮮「開城団地の労働者撤収」宣言 韓国揺さぶる

北朝鮮は8日、韓国側関係者の新規立ち入りを禁じている南部の開城(ケソン)工業団地で、北側の労働者全員を撤収させると宣言した。団地の運営を暫定的に中断し、韓国側の対応次第では存廃も検討するという。現地には韓国人関係者が残っており、政府は懸念を強める。開城工業団地は南北経済関係の最も重要な柱だが、北側は団地の存廃まで言及、軍事面以外でも韓国への揺さぶりを強めている。

同日、団地を視察訪問した金養建(キム・ヤンゴン)・労働党統一戦線部長の談話を朝鮮中央通信が伝えた。金氏は「(韓国の)極悪な対決狂信者により、団地が本来の使命を離れ、軍事挑発の場に転落する事態をもはや許せない」と指摘。今後の事態については「南朝鮮(韓国)当局の対応次第だ」と断じた。労働者を撤収させる時期は明らかにしていない。

北朝鮮は3日、韓国側から団地への入境を一方的に禁止。部品や食料など物資供給が止まり、工場の交代人員が通勤できなくなったため、進出した韓国企業123社のうち、韓国統一省によると、6日の段階で13社が操業を停止。8日にはさらに6社で操業がストップする見通しだ。

北朝鮮の措置を受け、韓国統一省は「極めて遺憾」と反発、在留韓国人の安全と財産保護に全力を尽くすとしている。与野党の一部から特使派遣など対話による解決を求める声が上がるなか、柳吉在(リュ・ギルジェ)統一相は8日午前、国会で「今はそうした局面ではない」と話している。

開城工業団地を巡る主な出来事
2000年南北首脳会談に基づき開発に合意
2004年工業団地稼働
2009年北朝鮮、米韓合同軍事演習に反発し往来を一時禁止
2010年韓国、延坪島砲撃事件を受け出境を一時禁止
2013年

3月30日

北朝鮮、閉鎖を警告
4月3日北朝鮮、入境禁止
4日北朝鮮、10日までの撤収計画提出を韓国企業に要請
5日韓国政府、材料不足で3社が操業停止と発表
8日北朝鮮、北朝鮮労働者の撤収宣言

開城団地は2000年に韓国・現代グループと北朝鮮当局が合意して実現した南北協力事業。10年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件や、11年の金正日総書記の死去時も稼働していた。労働者全員が撤収して稼働が全面的に止まれば、04年の稼働以来初めてになる。

同団地の2012年の生産額は4億6950万ドル(約463億円)。昨年12月末時点で北側の労働者は5万3000人以上おり、韓国側の賃金支払いは年9000万ドル規模。北朝鮮の貴重な外貨獲得手段であるうえ、韓国との唯一の経済活動であり、韓国内では北朝鮮が強硬策に出てくることはあまり予想されていなかった。8日夕方の段階で、現地には約480人の韓国側関係者が残っている。

(ソウル=加藤宏一)

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