2019年7月24日(水)

米中が尖閣巡り応酬 米国防長官、防衛義務を強調

2014/4/8付
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【北京=島田学】中国を訪問しているヘーゲル米国防長官は8日、北京で常万全国防相と会談した。沖縄県の尖閣諸島を巡り、日米安全保障条約で定めた防衛義務を「米国は完全に果たす」と強調するヘーゲル氏に対し、常氏は「領土問題で中国は妥協しない。必要ならば武力で領土を守る」と応酬した。中国は米国に摩擦の緩和と協調関係の構築を呼びかけるが、具体論では隔たりが大きいことを露呈した。

AP通信や中国メディアが伝えた。ヘーゲル氏は、中国が尖閣諸島を含む東シナ海の上空に防空識別圏(ADIZ)を関係国と事前に協議することなく設定したことに「どの国にも防空識別圏を設定する権利はあるが、一方的に強行する権利はない。結果的に危険な衝突を招きかねない」と警告した。常氏は尖閣諸島は「中国固有の領土だ」との主張を繰り返した。

中国は、米国が日本やフィリピンなどと軍事的な連携強化を探っているとして警戒を強めている。米国は、日本が集団的自衛権の行使に道を開く憲法解釈の見直しに支持を表明。フィリピンとは米軍のフィリピン駐留拡大に関する軍事協定交渉を進めているからだ。

常氏は会談後の記者会見で「中国を封じ込めることはできない」と反発した。東シナ海や南シナ海で「中国から挑発することはない」とする一方で「領土問題は譲れない核心的利益だ」とも強調。米国や日本などの動きをけん制した。

特に日中関係では「現在の日中関係の厳しい困難な情勢は、完全に日本側に責任がある」と指摘。中国が日本に軍事力を行使する可能性については「中国は日本との事を構えるつもりはないが、事を構えることを恐れてはいない」と主張した。

こうした応酬の一方で、米中双方は大規模な軍事演習の際は互いに事前通報するなど信頼醸成措置を強化していく必要性では一致した。今年中に米国防総省と中国国防省との間でアジア太平洋地域の安全保障対話を開くことでも合意した。

中国の国営中央テレビによると、常氏は会談で「公海上での安全確保などのメカニズム構築に向け、双方は実務的な協議をする段階にある」と述べ、実務協議を含む米中軍事交流の強化に意欲を示した。

中距離弾道ミサイル「ノドン」を発射し、「新たな形態の核実験」を実施する可能性を示唆した北朝鮮を巡っても意見交換した。両者は北朝鮮の非核化を目指す方針を改めて確認し、ヘーゲル氏は中国に北朝鮮への影響力を行使するよう促した。

ヘーゲル氏は会談後、北京の人民解放軍国防大学で100人を超える中国軍士官らを前に講演し、AP通信によると、「中国が北朝鮮の現体制を支援しつづければ、中国の国際社会での立場は傷つくだろう」と指摘した。

講演では、会談を通じて中国側に米軍のサイバー攻撃を巡る戦略を披露したことも明かした。「誤解に基づいて間違った判断をしてしまうリスクを減らすため」、中国軍にもサイバー能力の透明性を高めるよう促したが、常氏は「突っ込んだ話し合いをする用意がある」と述べるにとどめたという。

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