2019年2月24日(日)

キルギス政権が崩壊 野党、臨時政府樹立を宣言

2010/4/8付
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【モスクワ=金子夏樹】政府の腐敗や経済失政に抗議する野党支持者らのデモと治安部隊との衝突で死傷者が出た中央アジアのキルギスで7日、バキエフ大統領が首都ビシケクを脱出する一方、野党勢力が治安機関を掌握したと発表、政権が事実上崩壊した。大統領の所在は確認されておらず、ウセノフ首相は事態を受けて辞意を表明した。現地の国営通信などはデモ隊が首都を「制圧」したと伝えている。

キルギスは米国がアフガニスタンでの作戦の後方支援を担う軍事基地を置いており、政情の混乱はアフガンの対テロ戦争にも影響を与える可能性がある。中央アジアに強い影響力を持つロシアと、キルギスと国境を接する中国も混乱拡大を懸念。米中ロの3大国が情勢を注視している。

正式発表はないが、インタファクス通信などによるとウセノフ首相は7日、内閣総辞職の声明に署名。バキエフ大統領は出身地である南部オシに脱出したもよう。隣国カザフスタンに亡命したとの報道もある。

野党勢力は有力政治家のオトゥンバエワ元外相を中心に臨時政府を樹立すると宣言。元外相は大統領の早期辞職も求めており、地元テレビに出演して「治安部隊と内務省などを影響下に置いた」と言明した。

数千人が参加した7日のデモと治安部隊との衝突は被害が死亡者65人、負傷者400人超まで拡大。治安部隊は発砲するなど武力行使に踏み切ったが、デモ隊は議会やテレビ局など主要機関を占拠した。軍や一部の治安機関がデモ隊排除に動かなかったことが、政権転覆につながったとみられる。

ロシアのメドベージェフ大統領は訪問先のプラハで同日「キルギスは戦略的パートナーであり続ける」と指摘した。デモ発生後、ビシケク近郊にあるマナス空軍基地で米軍機の離着陸は停止している。クローリー米国務次官補は記者会見で「民主的手続きを通して解決するよう望む」とした。

バキエフ政権下では、野党の指導者拘束が相次ぎ、強権的な政治手法への反発が拡大。経済面では昨年の金融危機後、失業率が上昇している。

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