2019年8月23日(金)

[FT]競争力強化にかじを切ったフランス

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2012/11/8付
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(2012年11月7日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

フランソワ・オランド大統領率いるフランス社会党政権は6日、企業向けに200億ユーロの税控除を発表した。フランス産業の競争力低下に対し、何か月も緊急措置を求めてきた企業の圧力にようやく応えた格好だ。

■30万人の雇用増、GDPは0.5ポイント高に

この対策は、航空宇宙大手EADSの元経営者ルイ・ガロワ氏が政府の委託でまとめた報告書で提言した300億ユーロの「競争力ショック」には及ばなかった。

だが、ジャンマルク・エロー首相が発表した35の措置の目玉になった税控除の規模は、ガロワ報告が「葬り去られる」との臆測を覆した。政府は左派勢力から、産業界が強く求めるフランスの高い労務費の引き下げを飲んではならないという圧力を受けている。10%に達するまで急増した失業率の重圧と、来年に景気後退に陥る恐れが、政府の消極姿勢を打破したようだ。

ピエール・モスコビシ経済財政相は、一連の措置は5年間で30万人の雇用創出につながり、同じ期間の年間成長率を0.5ポイント押し上げると述べた。「これは決定的な節目であり、これまでのフランス政府が取ったことのない一手だ」

労務費の削減キャンペーンを率いてきた経営者団体「フランス経団連(MEDEF)」のロランス・パリゾー会長は、政府提案は「有益で目覚ましい」と語った。同氏によると、フランスがドイツと並ぶには労務費を700億ユーロ減らす必要があり、MEDEFは政府がさらに踏み込むことを望んでいたという。それでも同氏は「フランス政府はコスト競争力の問題があることを初めて明らかに認めた。フランス経済にとって、本当に重要な局面だ」とフィナンシャル・タイムズ紙に語った。

■福祉制度の財源改革は先送り

ただし政府は、ガロワ氏が必要と指摘した、雇用主と従業員の双方にかかる重い社会福祉税の削減はせず、複雑な福祉制度の財源の改革は来年に先送りした。ウニクレディトのエコノミスト、トゥリア・ブッコ氏は、政府の対策は「労働者にかかる税負担の大半を占める社会保障費に切り込んでおらず、問題の核心に触れていない」と言う。

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