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人民元の国際化、新段階へ ナイジェリアが準備通貨に

強まる経済関係、米ドル偏重から脱却

【香港=川瀬憲司】アフリカ有数の経済大国、ナイジェリアの中央銀行は7日、中国の人民元を外貨準備通貨に加えると発表した。中国との経済関係の拡大に加え、米ドルに偏る準備通貨を多様化したい考え。中国政府が進めてきた人民元の段階的な自由化により、香港など中国本土以外での人民元の流動性も急速に高まっており、準備通貨採用への条件は整ったと判断した。人民元の国際化は各国中銀による準備通貨への本格的な採用という新たな段階に入る。

ナイジェリア中銀のサヌシ・ラミド・アミヌ・サヌシ総裁が7日午後、香港で開いた記者会見で明らかにした。同総裁は5~6日に北京で中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁らと会い、人民元を準備通貨とする際に必要な枠組みについて大筋で合意し、覚書を取り交わした。世界の中銀で人民元の準備通貨への採用を公式に表明するのは初めてとみられる。

産油国であるナイジェリアの外貨準備高は2日時点で323億ドル(約2兆5千億円)。サヌシ総裁によると、現在は8割近くをドル、残りをユーロやスイスフランなどで運用している。外貨準備高のうち「当面は5~10%を人民元に切り替える」考えだ。実際に人民元を組み入れるのは「次の四半期(10~12月)になるだろう」との見通しを示した。

サヌシ総裁は「人民元が国際準備通貨になるのは時間の問題。ドルやユーロと置き換わることはないが、その一つに加わる」と指摘した。人民元が今後、主要通貨に対して上昇が見込まれることも準備通貨としての利点に挙げた。

中国はナイジェリアから原油を輸入する一方、中国からは工業製品の輸出が拡大し、両国間の貿易は2010年に75億ドルに達している。中国企業による直接投資も増加している。中国はアフリカ諸国との経済関係の強化に力を入れており、ナイジェリアによる人民元の準備通貨採用もその流れの中でとらえられる。

人民元は完全な交換性が実現していないが、準備通貨として採用するリスクは低いとみている。今後、中国政府との個別の取り決めを通じて人民元の流動性を確保するほか、香港などのオフショア市場や上海の銀行間市場で人民元や運用対象となる中国国債は「十分に調達できる」(サヌシ総裁)とみる。

中国政府系の英字紙、チャイナ・デーリーによるとモンゴルの中銀も人民元を準備通貨に加えることを検討しているという。中国との貿易や投資が拡大する国々の中から人民元を準備通貨として採用する動きが広がる可能性もある。

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