2019年2月22日(金)

バンコクに非常事態宣言 タイ首相がテレビ演説

2010/4/7付
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【バンコク=高橋徹】タイのアピシット首相は7日夕にテレビ演説し、首都バンコク全域と周辺5県に非常事態を宣言した。バンコク中心部を占拠して反政府集会を続けるタクシン元首相支持派の市民団体「反独裁民主統一戦線」(UDD)のデモ隊が国会議事堂に乱入するなど、首都の一部で治安情勢が悪化しているため。デモ隊は徹底抗戦を主張しており、治安当局が強制排除に乗り出す可能性も出てきた。

アピシット首相は「(発令中の)治安維持法では効果が不十分」と説明した。非常事態宣言下では、これまでほぼ丸腰でデモ隊を防ぐだけだった治安部隊の武器携行などが可能になる。地元メディアは、政府が4万7000人強の国軍兵士の投入を準備中と報じた。

タイでの非常事態宣言の発令は、同国中部パタヤで開いた東南アジア諸国連合(ASEAN)の関連会議にタクシン派デモ隊が乱入した昨年4月以来、1年ぶり。タイ渡航の自粛を勧告する国が相次ぐ可能性が高く、観光産業などには大きな打撃となりそうだ。

政府は7日午前の閣議で、バンコクと周辺部に3月11日から発令している治安維持法の2週間延長を決定。これに抗議するデモ隊が閣議のあった国会に押しかけ、内部に乱入した。国会内に残っていたステープ副首相は軍のヘリコプターで脱出。デモ隊は国会から撤収したが、事態を重くみた首相は午後の臨時閣議で非常事態宣言への"格上げ"を決めた。

情勢緊迫化に伴い、首相は8~9日にASEAN首脳会議が開かれるベトナムのハノイ滞在を短縮し、両日とも日帰りとする。核安全保障サミット参加のため10~15日に予定していた訪米は中止した。

デモ隊は大型商業施設が集まる市街地一角を引き続き占拠している。周辺のショッピングセンターなどは5日連続で臨時休業を余儀なくされた。前日には治安維持法で集会を禁じられたビジネス街にデモ行進を拡大するなど、政府を挑発する行動に出ている。

UDD指導部は7日夜、デモへの合流を支持者に呼びかけた。デモ参加者の多くがいったん帰省する13~15日のタイ正月(ソンクラン)を前に政府への圧力を強める戦略。2月のタクシン元首相の資産没収判決後に再び激化した政府とUDDの対立はヤマ場を迎えた。

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