「マカオのカジノ王」LCCに参入 64億円出資
【香港=川瀬憲司】「マカオのカジノ王」と称される何鴻●(桑の又が火、スタンレー・ホー)氏が香港に持つ複合企業、信徳集団が格安航空会社(LCC)に参入する。オーストラリアのカンタス航空と中国国有の中国東方航空が設立した捷星香港(ジェットスター香港)に、対等の出資比率で経営に参画する。LCCを通じマカオを含めた華南地域への観光客を増やすことで、「本業」のカジノへの波及効果も狙う。
信徳は捷星香港に対し最大6600万ドル(約64億円)を出資する計画。捷星香港は昨年3月にカンタスと東方航空が折半出資で設立したが、信徳の資本参加により、3社で3分の1ずつを出資する形となる。
捷星香港のもともとの計画では今月中にも営業を始めたい考えだったが、香港政府の認可取得が難航していた。香港の地元資本である信徳が主要株主として経営に加わることで、認可取得に向けて動き出すとの見方が有力になっている。
信徳は何氏が主席を務める香港に本社を置く香港の上場企業。マカオのカジノ運営会社、澳門博彩控股(SJM)の筆頭株主であるほか、不動産の開発や香港とマカオを結ぶ高速フェリー事業などを手掛ける。