2019年1月23日(水)

[FT]米シェールガス、対ロシアの武器として急浮上

(1/2ページ)
2014/3/10 7:00
保存
共有
印刷
その他

米国で急拡大する石油・ガス生産は、エネルギー自給を強める恵みとみられてきた。ウクライナの危機はこれに異なる光を当てている。海外の同盟国を助ける戦略的な武器としての石油・ガスだ。

米国はロシアを抜いて世界最大のガス生産国となった。共和党の有力議員2人は、欧州のロシア産エネルギーに対する依存度を下げるため、米国による欧州向けの天然ガス輸出を促進すべきだと訴えている。

シェールガスを採取する作業員(コロラド州)=AP

シェールガスを採取する作業員(コロラド州)=AP

米国はシェールガスを使って何を目指すべきだろう。シェールガスとシェールオイルを世界の安全保障強化に用いるのか、米国産業を育成する手段とするのか、単に米国人が使う燃料の価格を安くするだけなのか、米国は選択を迫られている。

これらは相互に矛盾するわけではないが、結局はひとつの疑問にいきつく。米国はエネルギーを輸出すべきなのか、それとも国内で消費するのかという問題だ。

いまのところ石油輸出は事実上禁止されている。天然ガスは海外に販売できるものの、欧州連合(EU)を含め、米国と貿易協定を結んでいない国・地域への輸出は政府の承認が必要で、エネルギー業界によれば承認には極めて長い時間がかかるという。

■ウクライナ危機で議論が一変

元シェブロン幹部で、米戦略国際問題研究所(CSIS)の上級研究員を務めるエドワード・チョウ氏によれば、エネルギー輸出を巡る議論はウクライナ危機によって一変した。

「これまで我々は主に米国の国内経済にプラスかどうかという観点で輸出について論じてきた。ウクライナ危機により、これまで背景に潜んでいた地政学、外交政策の側面が加わった」

共和党のジョン・ベイナー下院議長は、欧州向けの天然ガス輸出の承認を促進することは「ロシアに立ち向かう」ひとつの方法だと述べた。共和党の大統領候補になるかもしれないマルコ・ルビオ上院議員は、米国は「エネルギーを武器に用いるロシアの影響を減じるため」同盟国への天然ガス輸出を加速すべきだと語った。

ロシアの国営ガス会社ガスプロムは、ウクライナに割引価格でのガス販売をやめると述べた。

米国は今、同盟国を助けるために何もできない。2011年以降、米エネルギー省はシェールブームで得られた液化天然ガス(LNG)向けの輸出基地を5基承認した。だが、最初に承認されたルイジアナ州のサビーンパスは2015年下半期まで輸出が始まらない。少なくとも24件の申請が承認を待っている。

  • 1
  • 2
  • 次へ

日経電子版が2月末まで無料!いつでもキャンセルOK!
お申し込みは1/31まで

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報