イラン核協議、糸口見えず イスラエルで強硬論も

2013/4/7付
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【テヘラン=久門武史】イランの核開発問題を巡り同国と米英ロなど6カ国がカザフスタンのアルマトイで開いた協議は物別れに終わった。再協議に望みをつないだが、実質的な交渉再開は6月のイラン大統領選後となる可能性が高い。焦点のウラン濃縮活動停止に関して事態を打開する糸口は見えず、膠着状態が続けばイランに敵対するイスラエルで再び強硬論が勢いを増しそうだ。

「本質論で双方の立場の隔たりは大きい」。6カ国側のアシュトン欧州連合(EU)外交安全保障上級代表は5、6両日の協議終了後、議論が細部に立ち入ったことを示唆したものの進展がなかったと明らかにした。

6カ国は2月の前回会合で、イランが地下濃縮施設と20%のウラン濃縮を停止する見返りに、金取引などの制裁を緩和する案を打診。それまでの「濃縮施設閉鎖」や「濃縮ウラン全量の国外搬出」よりも要求を弱めた。

今回、イランは「対案」を提示した。詳細は不明だが、「ウラン濃縮はイラン国民の権利」(ジャリリ最高安全保障委員会事務局長)との原則を崩さなかったもよう。6カ国側が示した制裁解除の対象に外貨獲得手段である原油が入らなかったことなどに不満を表明したとみられる。

イランは2010年から、遠心分離機を使って濃縮度を20%に高めたウランの製造に着手した。核兵器の材料として利用するには90%以上の高濃縮ウランが必要だ。米欧は軍事転用を疑うが、最高指導者ハメネイ師は「核兵器はイスラムの信仰に反する」と主張、核の平和的利用を繰り返す。濃縮活動の停止などで妥協する兆しはない。

内政面でもハメネイ師とアハマディネジャド大統領の確執が表面化。「現体制で急速な政策転換は見込みにくい」(在中東外交筋)。大統領選を6月14日に控え、欧米との協議が動き出すのは、イランの新体制発足後になるとの見方が多い。

一方、イスラエルはイランのウラン濃縮進展を放置することに懸念を深める。ネタニヤフ首相は武力攻撃に慎重な米国の意向を尊重し、単独のイラン攻撃など強硬論は一時よりも後退した。

だが、イランがシリアやレバノン情勢に介入し、反イスラエル活動を後押ししていると指摘。とりわけイランと密接な関係にあるレバノンの民兵組織「ヒズボラ」の活動へ警戒を強める。ネタニヤフ首相は対ヒズボラでは「必要な措置を取る」と軍事行動の可能性も示唆。ヒズボラの活動が活発になればイラン批判を強める可能性もある。

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