米、シリアに武力行使も視野 サリン使用なら

2012/12/7付
保存
共有
印刷
その他

【ワシントン=吉野直也】内戦状態にあるシリア情勢を巡り、米オバマ政権でアサド政権が猛毒サリンガスの使用に踏み切ることへの警戒が強まってきた。既に使用準備を終えたとの情報もあり、実際に使われれば、アサド政権への武力行使も視野に入れざるを得ない難しい判断を迫られる。シリア情勢が2期目のオバマ外交を揺さぶる展開になってきた。

「アサド政権が化学兵器を使用する可能性は高い」。パネッタ国防長官は6日のワシントン市内での記者会見で危機感を強調した。「もしアサド政権が間違った判断で化学兵器を市民に使う事態になれば、重大な結果をもたらす」とも述べ、武力行使も辞さない構えをにじませた。

オバマ政権は反体制派を支援し、アサド政権の退陣を促すことであくまで「政権交代」の体裁を整えようとしていた。だが、追い込まれたアサド政権は化学兵器による反体制派弾圧も選択肢に入れる状況となった。このため情勢が一段と危険な新局面に入ったとみて強硬姿勢を示した形だ。

米メディアによると、シリア軍はサリンガスの原料となる化学物質を爆弾に搭載し、アサド大統領の最終承認を待っている状態。サリンガスなど化学兵器の使用は大量の死傷者を生むため、オバマ大統領は「一線を越える」とアサド政権に何度も警告している。

国連とアラブ連盟合同のブラヒミ特別代表、クリントン米国務長官、ロシアのラブロフ外相は6日、アイルランドのダブリンで会談し、シリア情勢について意見交換。具体的な対処方針で結論は出なかったが「情勢が悪化している」との認識で一致した。国連の潘基文(バン・キムン)事務総長はアサド大統領に書簡を送り、化学兵器の使用をやめるよう求めるとともに、安全な管理を要請した。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]