2019年8月21日(水)

中国首相、人民元切り上げけん制 改革を強調

2010/10/7付
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【ブリュッセル=瀬能繁】中国の温家宝首相は6日、ブリュッセルで開いた「欧州連合(EU)・中国ビジネスフォーラム」であいさつし、人民元の取り扱いについて「我々に圧力をかけないでほしい。我々は改革を続けている」と述べた。中国人民銀行(中央銀行)が今年6月から人民元相場の弾力性を高める改革に乗り出した点を強調し、欧米で強まる一段の人民元切り上げ要求を強くけん制した発言だ。

人民元相場がドルなど主要通貨に対して大幅に上昇すると中国の輸出企業に打撃を与え、中国の経済成長を下押ししかねない。温首相は、人民元が急上昇した場合の影響に関する米議会の予測を引用しつつ「中国で社会的・経済的混乱が起きれば、世界にとっての惨事になる」と力説した。

温首相はレアアース(希土類)にも触れ「輸出をやめることはない。市場を閉じることもしない。だが、持続可能な開発が優先課題だ」と語り、輸出規制に一定の理解を求めた。

温首相はこの後、EUのファンロンパイ大統領(首脳会議の常任議長)、バローゾ欧州委員長と首脳会談を開き、人民元の大幅な切り上げに反対する見解を伝えたとみられる。だが、終了後に予定していたEU・中国の両首脳の記者会見は中止された。

ファンロンパイ、バローゾ両氏は温首相との首脳会談で「適切な為替相場の役割を強調した」とのコメントを発表した。人民元切り上げを求めるEU側とこれに反対する中国側の議論は平行線に終わったとみられる。

一方、首脳会談後に発表したEUと中国の共同声明は、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁らと温首相による5日の人民元をめぐる議論を「歓迎した」と指摘するにとどめた。「経済の基礎的条件の進化に柔軟に対応できる構造調整の強化」という文言は盛り込んだものの、「人民元」や「為替」などの表現は明記しなかった。

EUと中国は「包括的戦略的パートナー」としての関係を強化することでは合意。11月にソウルで開く20カ国・地域(G20)首脳会議での協力、気候変動や省エネルギー政策に関する対話強化などで一致した。

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