2019年6月17日(月)

銀行債保有者に損失負担、破綻・清算処理で欧州委

2011/1/7付
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【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)の欧州委員会は6日、経営が悪化した域内銀行の破綻・清算処理の一環として、銀行の債券保有者に損失を負担させる新制度を導入する方針を明らかにした。公的資金を使わず、銀行を円滑に破綻・清算するには、すべての債権者の負担が必要と判断した。2011年夏までに関連法案をまとめ、加盟国と欧州議会との調整に入る。20カ国・地域(G20)での金融規制論議を主導したい考えだ。

新制度は将来の金融危機の際に「銀行が大きすぎてつぶせない」という事態の再発を防ぎ、金融システムに悪影響を与えない形で経営不振銀行を市場から「退出」させる危機管理の枠組みの一部。

EUの域内銀行の危機管理の枠組みは(1)銀行が再生・清算計画を策定(2)金融当局が経営不振銀行を直接指導(3)再生が困難となった場合の破綻・清算――の3段階で進む。銀行の債券保有者の損失負担は原則として(3)の段階で想定している。

巨額の不良資産を抱える経営不振銀行は自己資本が不足し、負債も大きくなる。受け皿となる別の銀行や、受け皿銀行が見つかるまで業務を引き継ぐブリッジバンク(承継銀行)に資産・負債を譲渡する際、銀行の債券(銀行にとっての負債)を保有する投資家に損失を負担させる法的根拠を明確にするのが新制度の目的だ。

具体的には、銀行の株主、劣後債保有者にまず損失を負担してもらい、次に普通社債を保有する投資家に負担を要請する段取りを想定している。

債券保有者は債券の額面を割り引いた承継銀行の新債券と交換したり、新株式と交換する「債務の株式化(デット・エクイティ・スワップ)」をしたりして損失を負担する。こうした「債務再編」の対象から預金は除外される見通しだ。

また、欧州委は各国の預金保険基金と、銀行の将来の破綻費用の一部を賄うため銀行に新税を課して設立する「銀行清算基金」を統合する案も検討している。

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