中韓FTA、自由化率90%で合意

2013/9/6付
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 中国と韓国が自由貿易協定(FTA)の交渉方針について合意した。両国は貿易品目の90%、輸入額の85%で関税を撤廃する。韓国が米国や欧州連合(EU)とのFTAより低い水準で合意したのは、妥結を急ぐ両国の思惑が一致したためだ。韓国では2014年中の妥結が視野に入ったとの指摘もあり、日中韓FTA交渉にも影響を与えそうだ。

 中国と韓国は年内に2段階目の交渉に入る。関税の撤廃品目は、2010年代、10~20年代の2段階に分けて進める方針で、具体的な対象品目を詰めていく。韓国政府の説明によると、中国側が当初、消極的だった知的財産権、電子商取引、環境などの分野も今後の交渉対象に含まれる。

 両国は品目の90%の自由化で合意したが、韓国にとっては過去のFTA締結国の水準に届いていない。米国、EUとのFTAでは品目の99.8%、99.6%がそれぞれ対象だった。韓国は農水産物、中国は工業製品を保護したい思惑があり、「波及力に欠ける」(仁荷大学の鄭仁教=チョン・インキョ教授)数字となった。

 ただ、韓国としては日本などに先んじて、中国とのFTA交渉が前進した意味は大きい。中国が現在、FTAを締結しているのは、スイスや東南アジア諸国連合(ASEAN)など少数だ。「今後の交渉で鉄鋼などの関税引き下げを求める」(産業通商資源省)といい、日本勢と競合する分野で競争力を高める狙い。

 一方、中国は中韓FTA締結を通じ、米国主導の環太平洋経済連携協定(TPP)をけん制する思惑がある。「地域の貿易圏づくりで(各国の)協力が深まるのを歓迎する」。高虎城商務相は5日、訪問先のロシア・サンクトペテルブルクで、自由貿易圏づくりに積極的に関与する姿勢を示した。

 米国が参加せず、韓国を含む16カ国で交渉に入った東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の枠組みが中国としては望ましい。同じくTPPに慎重な韓国との連携は、並行して進む日中韓FTA交渉で、日本をけん制する材料にもなりうる。

 「過去の中国のFTA交渉での保守的な姿勢に比べれば、相当に妥協しており、14年の妥結も不可能ではない」(ソウル大学国際大学院の安徳根=アン・トックン)教授との見方もある。中韓FTAの交渉前進で今後、アジア太平洋地域の自由貿易圏づくりの主導権争いが活発になりそうだ。(ソウル=加藤宏一、北京=山田周平)

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