2019年6月17日(月)

商船三井タンカー損傷は「テロ攻撃」 UAE当局

2010/8/6付
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【ドバイ=松尾博文】アラブ首長国連邦(UAE)国営の首長国通信によると、ホルムズ海峡を航行中に船体が損傷した商船三井運航の大型石油タンカー「M・STAR」を調査してきたUAE当局は6日、テロ攻撃が原因との見方を示した。船体から爆発物の痕跡が見つかったという。原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡の艦船を狙ったテロが現実化したことで、石油や海運会社は対応を迫られる。

損傷した商船三井の大型原油タンカー(7月、アラブ首長国連邦のフジャイラ港沖)=共同

UAE当局がテロとの判断を示したのは初めて。同国の沿岸警備隊がUAE東部のフジャイラ港に入港していたタンカーから損傷部分のサンプルを取って調べたところ爆発物の跡を確認した。爆発物を積んだボートによる攻撃の可能性が高いとしている。

ペルシャ湾の入り口に位置するホルムズ海峡は海上輸送される世界の原油の4割が毎日通過する。しかし、海峡は最も狭いところで幅33キロしかない。タンカーが航行不能となれば、原油供給のバランスが一気に崩れる世界経済のアキレスけんでもある。国内消費の9割を中東産原油に頼る日本にとっては生命線だ。

アラビア半島周辺の海域では過去に艦艇やタンカーを狙い、海上でのテロが起きている。しかしペルシャ湾内ではバーレーンに司令部を置く米海軍第5艦隊が常時監視体制を敷き、商船を狙ったテロ活動はほとんど報告されてこなかった。テロのリスクが鮮明になったことで「船舶保険料が上昇するなどの影響が出る可能性がある」(湾岸の海運関係者)。

UAEで原油を積み、日本に向かっていたM・STARは7月28日未明、ホルムズ海峡のオマーン領海で船体が損傷した。船体の右舷後方に大きなくぼみができ、乗組員1人が負傷した。

今週には国際テロ組織アルカイダ系とみられるイスラム過激派組織「アブドラ・アッザム旅団」が自爆攻撃を仕掛けたとする犯行声明を出していた。今回みつかった爆発物の痕跡が同組織の犯行を裏付けるのかどうかは明らかでない。M・STARは6日、船体の修理を終え、フジャイラ港を出港した。今月下旬に日本に到着する見通し。

海運各社は夜間運航を見合わせるなどの対策を検討しているが、「ホルムズ海峡だけがテロのリスクが高いわけではない」(大手幹部)。武器を装備していない日本の海運会社の対策は限られており、当面は沿岸国の警備に委ねるほかないのが現状だ。

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