2019年3月20日(水)

[FT]シリア攻撃支持で恐るべきリスクを取るフランス

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2013/9/9 7:00
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(2013年9月6日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

フランスはシリアに対する軍事攻撃に参加する用意があるというオランド大統領の宣言を受け、ケリー米国務長官が米国の「最古の同盟国」としてフランスをたたえた時、フランスの評論家たちは満足感で身震いした。

G20夕食会の前にキャメロン英首相と話すオランド仏大統領(5日、サンクトペテルブルク)=AP

G20夕食会の前にキャメロン英首相と話すオランド仏大統領(5日、サンクトペテルブルク)=AP

だが、最近消極的になった英国に取って代わり、フランスが米国政府と肩を並べたことから来る満足感は、長続きしなかった。米議会の承認を軍事行動の条件とすることにしたオバマ大統領の予想外の動きにかき消されてしまったのだ。パリでは、先の週末の声明でオバマ氏がフランスに一言も触れなかったことが大きく取り沙汰された。

オランド、オバマ両氏は6日、モスクワでシリア情勢について会談する予定になっていた。だが、オバマ氏の策略は、フランス政府にとって極めて不快な現実を浮き彫りにした。フランスの政策について決定権を握るのは、今やエリゼ宮(大統領官邸)ではなく米議会だということだ。

■いち早く軍事介入を主張したオランド氏

フランスが単独では攻撃を仕掛けられないことをオランド氏は認めている。これは軍事的、外交的な現実の認識にすぎない。だが、この状況は、大統領のスタンスがイラク進攻に反対した10年前のフランスの立場とは好対照に、フランスをほぼすべての欧州諸国よりも前面に立たせたことを浮き彫りにしている。

オランド氏の率いる社会党政権は、シリア政府に対する民衆蜂起の初期から、率先して反政府勢力を支持し、アサド大統領の退陣を求めてきた。

フランス政府は英国とともにシリアへの武器禁輸を解除するよう欧州連合(EU)を説得した。反政府勢力への殺傷兵器の供与については、イスラム主義勢力の手に落ちることを懸念して二の足を踏んだが、8月21日にダマスカス郊外で化学兵器による攻撃が起きると、オランド氏はほとんど間を置かずに軍事行動を支持した。

シリア攻撃の支持は、今年1月、イスラム過激派による制圧を防ぐためにマリ介入に踏み切ったオランド氏の大胆な行動に続くものだ。この決断は広く支持された。

シリアを巡って、マリ介入がオランド氏に有利に働くことはなかった。社会党は今のところ、「あるまじき人権侵害」についてアサド氏は罰せられなければならないというオランド氏の主張を強く支持している。

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