2019年1月24日(木)

スズキ、米の車販売から撤退 現地販社を法的整理

2012/11/6付
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【ニューヨーク=杉本貴司】スズキは5日(日本時間6日)、米国での四輪車販売から撤退すると発表した。米国販売法人が米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請。円高による採算悪化が背景で、日本の乗用車メーカーが米販売から撤退するのは1992年のダイハツ工業以来。米市場は回復が鮮明だが、スズキは海外では欧州のほか、インドや東南アジアなど新興国を中心に収益基盤を固める。

販売法人のアメリカンスズキモーターが同日、カリフォルニア州地裁に破産法を適用申請した。米国では小型車「SX4」など4車種を販売するが、2011年の販売台数は2万6619台にすぎない。既存顧客への部品供給などのサービスや二輪車、船外機の販売は続ける。

スズキは連邦破産法11条申請の理由を「219店ある米国内の販売店への補償などを円滑に進めるため」としている。通常、自動車市場から撤退する場合、販売店との契約を巡って訴訟となり、長期化する例が多いとされ、これを避ける狙いがあるとみられる。

スズキは最盛期の07年には約10万2千台を販売した。金融危機直後の08年11月に当時の提携パートナーだった米ゼネラル・モーターズ(GM)がスズキとの資本提携を解消。09年12月にはカナダでの合弁生産を解消した。合弁生産終了後は3車種を日本から輸出。このほか日産自動車からピックアップトラックをOEM(相手先ブランドによる生産)調達していた。

カナダ生産からの撤退で販売台数は激減。円高で輸出採算も悪化し、撤退の決断につながった。

日本の乗用車メーカーではダイハツ工業が80年代半ばに米市場に参入し、6年で撤退した。スズキは63年に二輪販売で米市場に参入。日本の自動車各社の相次ぐ米国本格進出を受け、85年に同社も四輪車の販売を始めた。

米国は現在も中国に次ぐ世界2位の新車市場。年率10%前後で成長しており、独フォルクスワーゲンが11年に約20年ぶりに再参入するなど、世界の大手が最重要市場の一つと位置付けている。

米販社の負債総額は3億4600万ドル(約280億円)。スズキ本体は米販社への出資額6470万ドルは全額減損処理済みで、債権については9月30日時点で97億円の貸倒引当金を計上した。

一方、スズキはインドで3カ所目の組み立て工場建設やインドネシアでのエンジン工場の増設を決めている。あえて米国販売から撤退することで新興国に集中する経営方針を明確にする。

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