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S&P、独仏など15カ国格下げ方向で見直し 首脳会議前に警告

【ロンドン=松崎雄典】米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は5日、ユーロ圏15カ国の国債格付けを格下げ方向で見直すと発表した。ドイツやフランスなど最上級「トリプルA」格付けの6カ国も対象。欧州債務危機への対応を疑問視しており、8~9日の欧州連合(EU)首脳会議を前に警告を発した。

S&PはEU首脳会議の決定内容を受けて可能な限り早く結論を出す方針だ。2分の1以上の確率で引き下げる可能性があり、オーストリアやドイツなどは最大1段階、イタリアやスペインなどは最大2段階の格下げ幅になるという。ユーロ圏諸国で今回の見直しに含まれない2カ国のうちキプロスは既に格下げ方向で見直し中で、ギリシャの格付けは見直さない。

首脳会議の直前の発表になったことについてS&Pは「格下げ方向の見直しは、効果的で信用できる政治対応が首脳会議で打ち出されなかった場合の、ユーロ圏の信用力へのリスクを示したものだ」と説明している。

これまでの政治対応に対しては「小出し」「決定が遅い」などと批判し、危機を助長したとの認識を示した。ユーロ圏の財政統合については「財源を大規模にプールし、相互に財政を監視し合う仕組みであれば信用できる」と踏み込んだ統合を求めた。

欧州の銀行が資本増強に取り組む結果、信用収縮が起きていることや、投資家が各国国債により高い利回りを求めるようになったことも見直しの理由とした。景気後退リスクも指摘した。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスもユーロ圏国債の格付けを来年1~3月に再検討する方針を示しているが、S&Pの決定は本格的な見直し作業に入ることを意味しており、より踏み込んだ内容といえる。

欧州の安全網である欧州金融安定基金(EFSF)は、ユーロ圏のトリプルA国の信用力を支えに資金を調達しており、トリプルA格付けの国が減れば、EFSFの資金力は低下し債務危機は一段と悪化しかねない。

今回のS&Pの決定は、EUの対応への評価に深く踏み込んだうえ、首脳会議の直前を発表時期に選んでいることから、政治に圧力をかける動きとなった。EUの政治対応への懐疑的な見方は多くの市場関係者と共通するが、民間の格付け会社の判断としては行き過ぎとの批判も出そうだ。

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