中国・遼寧省を代表するエリート高校が全国統一大学入試の優遇制度を組織的に悪用していた疑いが強まった。高校在学中にスポーツで活躍した生徒に入試時に得点を上乗せする制度に目をつけ、スポーツと関係のない生徒でもチームの補欠に登録し、げたを履かせていた。
問題となった本渓高校は、例年、文系・理系とも遼寧省トップの生徒を輩出している名門校。だが、6月はじめに実施された今年の大学入試「高考」で、1校から87人ものスポーツ加点生が出たことから当局が調査に乗り出した。
「高考」ではサッカーや水泳の全国大会で上位に入ったチームに対し、部員全員に点を上乗せしている。新華社通信によると本渓高校では清華大学や北京大学など一流大学に入学できそうな優秀な生徒から順にスポーツ部に入部させていた。実際に練習や試合に参加しない「幽霊部員」でも入試で加点を得ていた。
930万人が受験する高考は競争が厳しい。富裕層の子供に代わって優秀な生徒が受験する「替え玉受験」も多数摘発された。(大連=森安健)