2019年2月18日(月)

ロシア・プーチン氏、旧ソ連圏「EU型で地域統合」

2011/10/6付
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【モスクワ=石川陽平】2012年の大統領復帰が確実なロシアのプーチン首相が、次期政権の外交政策の目玉として旧ソ連圏で欧州連合(EU)型の地域統合を進める方針を打ち出した。4日付のロシア紙への寄稿で、旧ソ連諸国と経済を軸にした「ユーラシア同盟」を形成することを提唱した。地域統合をテコに経済面での国益を最重視した外交を欧州やアジアで展開する考えで、日本の対ロ外交も対応を迫られそうだ。

ロシアでは外交は大統領が統括する。9月24日の与党の党大会で来年5月に大統領に復帰する意向を示したプーチン首相が、どんな外交方針を掲げるかが注目されていた。4日付の寄稿「ユーラシアのための新たな統合プロジェクト――きょう生まれる未来」は、復帰をにらんだ初の本格的な方針表明となった。

その核となるユーラシア同盟について、首相のペスコフ報道官は5日付の有力紙コメルサントで、「目指すべきモデルで最も近いのはEUだ」と指摘。「ユーロ」のような統一通貨の導入や中央銀行の設立を念頭に置く一方、参加国は「政治的な主権を保持しなければならない」と述べた。

ユーラシア同盟はロシアが10年7月にカザフスタン、ベラルーシと発足させた関税同盟が基盤となる。首相は寄稿で、域内関税を撤廃した関税同盟を、12年には資本と人の往来も自由にした「統一経済圏」に移行させる計画を説明。「国家の枠を超えた強力な統合」と位置付けている。

首相が旧ソ連圏の糾合を目指す背景には、同盟創設で生まれる広大な経済圏を、ロシア経済の発展につなげる国益重視の基本方針がある。党大会での演説でも、世界11位の経済規模を急速に拡大し「今後5年間で世界5位の経済大国になる」と目標を掲げるとともに、「ユーラシア同盟の創設」に触れていた。

首相は寄稿で、EUとの自由貿易体制を確立して「大西洋から太平洋まで」の広域経済圏をつくり、投資や貿易拡大に取り組む考えを示した。「同盟」の盟主ロシアがアジア太平洋と欧州の「両地域を効率的に結びつける役割を果たす」ことで、成長の果実を得るシナリオだ。

新たな「同盟」の提唱には、旧ソ連第2の大国でEU加盟を目指すウクライナを、ロシアの影響圏に戻す狙いもうかがえる。首相は寄稿で「同盟の参加国はもっと早く強い立場で欧州と経済統合できる」と誘いをかけた。ウクライナなど親欧米路線に傾斜する国々は、ロシアの影響力拡大につながる「同盟」に慎重に対処するとみられる。

プーチン次期政権が国益重視の実利外交を強めれば、北方領土問題を抱える日本も経済関係の強化をさらに加速する必要がある。日ロは10月後半にも官民合同の経済円卓会議を立ち上げる計画で、日本側は「経済パートナーとして日本の重要性を示し、政治関係の強化にもつなげる」(外務省幹部)考えだ。

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