NY株急落、終値512ドル安 2年8カ月ぶり下げ幅
原油や金も急落、債券は上昇

2011/8/5付
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【ニューヨーク=川上穣】4日のダウ平均の終値は前日比512ドル76セント(4.3%)安の1万1383ドル68セントと2010年12月以来約8カ月ぶりの安値を付けた。下げ幅はリーマン・ショック後の金融危機のさなかにあった08年12月以来2年8カ月ぶりの大きさとなった。米欧を中心とした世界景気の減速懸念から、運用リスクを避けようとする投資家の換金売りが殺到。非鉄大手アルコアが9%、金融大手バンク・オブ・アメリカが7%下げるなど、業種を問わず全面安になった。

同日の記者会見で、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁がユーロ圏の景気下振れリスクが高まっていると指摘。欧州発の財政・景気への不透明感が世界的株安の起点になった。ドイツやスペインの株価指数は3~4%超下落。イタリアなど一部の欧州諸国では国債利回りが再び上昇した。

米国でも先週発表された4~6月期実質国内総生産(GDP)が年率換算で前期比1.3%増にとどまるなど景気指標が振るわず、「米国が不況に陥るリスクを市場は織り込み始めている」(米運用会社ニューバーガー・バーマン)。こうした弱気心理が支配する中で、欧州問題が追い打ちをかけ、幅広い銘柄にリスク回避の売りが出た。

下げが大きくなったのがニューヨーク原油先物だ。期近9月物の終値は前日比5.30ドル(5.8%)安の1バレル86.63ドル。世界景気の不透明感を背景に、原油需要の先細りを見込む売り注文が膨らんだ。株急落で同じくリスク資産と位置付けられる原油が連鎖的に売られた面もある。

実物資産の裏付けがあり、逃避資金が向かいやすい金先物も反落。取引の中心である12月物の終値は前日比7.3ドル安の1トロイオンス1659.0ドル。株価急落で膨らんだ損失をカバーするために、「一部の投資家が金先物に換金売りを余儀なくされた」との見方がある。

この日、唯一上昇したのが債券相場。米長期金利の指標となる米10年物国債利回りは前日比0.22%低い(価格は高い)2.40%と、約10カ月ぶりの水準まで低下。行き場を失ったマネーが、相対的に安全資産とされる米国債に流れ込んだ。

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