ガイトナー米財務長官、日欧の内需の弱さに懸念 米紙報道
【ワシントン=大隅隆】ガイトナー米財務長官が、20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議のメンバーである日本や欧州の「内需の弱さ」に懸念を示していることが明らかになった。長官がG20の財務相らにあてた書簡の内容を米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が伝えた。欧州に関しては金融システム改革に向けた取り組みが必要としている。
書簡は3日付で、4日に韓国・釜山で開幕したG20財務相会議のために各国に送付した。長官は「世界的な需要の不均衡是正が必要」と指摘。米国の過剰消費に頼る世界経済の体質を変えていく一環として「日本や欧州の経常黒字国の内需拡大」を改めて指摘した。
欧州の信用不安に関しては「欧州は改革と金融支援に向けた強力な対策を示した」と指摘。財政危機に対処する緊急融資制度などを評価したが、金融システムに関しては「特に欧州はリストラと資本増強などさらなる努力が必要」としている。