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揺らぐ「プーチン独裁」 下院選で与党失速

【モスクワ=石川陽平】4日投票のロシア下院選は、プーチン党首率いる政権与党・統一ロシアが予想以上に大きく議席を減らす結果となった。2000年に政権に就いて以来、議会の掌握と高い支持率をてこに権威主義的な国内政治を進めてきた「プーチン独裁」の地盤が初めて揺らぎ始めた。来年5月の大統領復帰が確実視されるプーチン氏の内政や外交方針にも影響を与えそうだ。

ロシア下院選でプーチン首相の与党が苦戦。野党支持者らと治安当局の衝突も

ロシア下院選でプーチン首相の与党が苦戦。野党支持者らと治安当局の衝突も

「国の状況を本当に表した良い結果だ」。4日深夜、下院選の結果の速報を受け、与党幹部らにこう語った党首のプーチン首相の表情に生気は見えなかった。与党の候補者名簿1位のメドベージェフ大統領も「(統一ロシアは)下院に入る最も大きな政治勢力である」と指摘するにとどめ、視線を落とした。

「現状維持」。グリズロフ党最高評議会議長ら党幹部は選挙戦の当初、憲法改正が可能な3分の2の議席を占める「絶対安定多数」の現状維持を目標に掲げた。だが、直前の世論調査の結果で予想得票率が前回下院選で得票した64%を大きく下回る53%まで低下。4日の出口調査によれば、最終的な結果は約50%にとどまり、辛うじて過半数の議席を確保する公算が大きい。

与党批判票は特に最大野党のロシア共産党と中道右派の親政権党、公正ロシアに流れた。首都モスクワの投票所で、年金生活者のタマーラさん(45)は「汚職や不正を減らせる」と共産党に一票を投じた。会社幹部のタチヤナさん(40)は「政党間には競争が必要」と公正ロシアに投票した。

統一ロシアは下院選が1週間後に迫った11月27日、最高権力者のプーチン首相を来年3月の大統領選の候補に正式に擁立し、巻き返しを図ったが、この戦略も不発に終わった。プーチン氏の支持率が08年の80%超から60%台に低下。メドベージェフ大統領も次期大統領候補から外れ、求心力が急速に衰えていた。

共産党のジュガノフ委員長は4日夜、党躍進の速報を受け「統一ロシアは自らの地位を失いつつある」と次期下院での影響力拡大に自信を示した。24年までの長期政権樹立を視野に入れたプーチン氏だが、今後は国民の声により配慮し、野党などとの政治取引に応じる必要にも迫られる。強大な権力を背景に独断的な外交を展開することも困難になりそうだ。

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