欧州委、制裁金2400億円 LIBOR不正で
欧米金融機関6社に

2013/12/5付
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【ブリュッセル=御調昌邦】欧州連合(EU)の欧州委員会は4日、ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)など国際的な指標金利の不正操作に関し、複数の欧米金融機関がカルテル行為を実施したとして合計で約17億1千万ユーロ(約2400億円)の制裁金を科した。合計金額はEUの独禁法(競争法)に基づく制裁金で過去最高。調査は続いており、対象はさらに拡大する見通しだ。

カルテルに関与した
金融機関と制裁金額

金額の単位は10万ユーロ、
それ以下は切り捨て
▼ユーロ建て指標金利に関するカルテル
ドイツ銀行4,658
ソシエテ・ジェネラル4,458
RBS1,310
バークレイズ0
▼円建て指標金利に関するカルテル
RBS2,600
ドイツ銀行2,594
JPモルガン798
シティバンク700
RPマーチン
(金融仲介会社)
2
UBS0

(注)バークレイズとUBSは情報を積極的に提供をしたことで制裁金を免れた

欧州委はドイツ銀行や仏ソシエテ・ジェネラル、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)など8社がカルテルを実施したと説明。このうち積極的に情報を提供した英バークレイズとスイスのUBSの2社を除く6社が制裁金の支払いを命じられた。ドイツ銀が7億ユーロ超と最も高額になる。

欧州委によると「それぞれの金融機関に属するトレーダーが指標金利の算出や各社の取引戦略などを協議した」といった問題行為があったという。さらに仏クレディ・アグリコルや英HSBCなどへの調査を継続する。

欧州委では、指標金利が企業への融資や個人の住宅ローンなどに活用され、一般消費者を含めて幅広く影響が及んだことを問題視。アルムニア副委員長(競争政策担当)は4日の記者会見で「今回の決定は金融業界のカルテルと戦い、制裁を科すという明確なメッセージだ」と強調した。ドイツ銀行は同日、「二度と同じような不祥事を起こさないことを組織の最重要事項とする」との声明を発表した。

欧州委がカルテル行為を認定したのは、ユーロ建ての指標金利でLIBORと似た仕組みを持つ欧州銀行間取引金利(EURIBOR)と円建ての指標金利。円建て分では、円建てのLIBORと、日本国外で取引される円建ての東京銀行間取引金利(TIBOR)がカルテルの舞台となったという。

LIBOR問題を巡っては、日本の金融庁にあたる欧米の金融規制当局も不正操作を調査。これまでにUBSに約14億スイスフラン(約1600億円)規模などの制裁金を命じている。欧米の大手金融機関は金融規制当局、競争政策当局の双方から多額の制裁金を命じられる結果となった。

2000年代半ばから不正操作が始まったとされるLIBOR問題は、各当局による調査が進展し、既にかなりの金融機関に対する制裁金が公表された。ただ欧州委のアルムニア副委員長は「これで最後ではない」と明言。スイスフラン建ての指標金利や外国為替市場での指標で不正操作が無かったか調べていることを明らかにした。

一方、金融規制当局側も不正操作に関与したことが濃厚な一部の金融機関に対する制裁金をまだ公表していない。金融市場の指標は数多く、今後も不正行為とそれに対する行政措置の公表が続く可能性がある。

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