2019年5月25日(土)

バーナンキFRB議長の講演・質疑応答の要旨

2011/2/4付
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バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長の3日の講演、質疑応答の要旨は以下の通り。

【中東での政情不安】

チュニジアやエジプトの情勢について、米国の金融政策で物価が上昇したのが一因との見方には異議がある。政治や体制、国内での広範な経済問題が様々に絡みあって起きたことだと考える。

【新興国でのインフレや国際的な商品価格の上昇】

新興国では中流層の拡大に伴い、食品需要が増大した。経済が生産能力を上回る勢いで成長し、成長を支える政策が追いついていない。そのためインフレ圧力が高まっており、米国の金融政策が招いた状況ではない。

国際的な商品価格の上昇は米ドル相場変動の影響ではない。米国の金融政策は米経済の安定維持が目的。新興国の政府・中央銀行は、バランスのとれた成長を図るための財政・金融政策を持っており、それを適切に保つべきだ。FRBは石油などの価格動向を注視している。インフレ率を低水準で安定させるためにできることは何でもする。

【追加金融緩和】

FRBによる長期国債購入の目的は株価上昇ではないが、金融緩和に伴い株価が上昇したのは予期した通りだ。金利と資産価格を動かし経済を刺激し雇用を創出するという目的から考えると、昨年8月以降、緩和政策の影響は正しい方向に出ている。悪影響の有無などを常に評価し、必要に応じて追加緩和、引き締め、現状維持などの方針を決める。これまで最善の政策を実施してきた。

【雇用】

失業率上昇を防ぐには最低2.5%以上の成長率が必要。昨年8月時点で成長率予測は約2%だったため追加緩和を決めた。2011年の成長率は2.5%以上と見られ失業率は下がっていくだろう。その他の経済指標もよい兆候を示しており、極めて近いうちに雇用改善と失業率低下が見え始めるだろう。

【米財政】

市場は米国経済は依然として十分強く、米政府は今後も長期間適切な金利で借り入れができ、財政赤字も徐々に改善されていくと考えているようだ。確かに米経済はまだ力強く、資源も十分あり、増税や社会保障制度の崩壊無しに問題を改善できる可能性はある。

市場は米国の政治に改善の意志があるのかどうかを見守っている。個人的には改善できると思っている。米議会には連邦政府の債務残高の上限問題を交渉の材料にしないように強く言いたい。

【FRBの独立性】

米議会の一部は「FRBの監査」の対象に金融政策を含めようとしている。諸外国の先例から、中央銀行の決定に政治が介入すると悪い結果を生むのは明らかだ。金融政策は短期的な政治的関心に左右されず、長期的経済目標のために決定する。FRBの独立性の維持は極めて重要な原則だ。(ワシントン支局)

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