2019年5月26日(日)

欧州安定基金の再拡大で合意 月内にもギリシャ融資
ユーロ圏財務相

2011/10/4付
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【ルクセンブルク=瀬能繁】欧州連合(EU)のユーロ圏17カ国は3日夜(日本時間4日未明)の財務相会合で、4400億ユーロの金融安全網の実質的な規模を拡大する方針で一致した。ギリシャ発の信用不安拡大を阻止する狙いで、政府保証枠を変更せずに数兆ユーロ規模の資金を活用できる体制を目指す。今月中旬をメドとしていたギリシャ向けつなぎ融資の決定は先送りし、ギリシャ政府に2013~14年の追加的な財政赤字削減策を要請。融資は今月下旬に承認される見通しだ。

ユーロ圏財務相会合の合意事項
■欧州金融安定基金(EFSF)の実質的な規模拡大
■ギリシャに2013~14年の追加的な財政赤字削減策を要請、融資第6弾は10月中にも
■フィンランドの担保問題  決着
■スロバキアはEFSF機能拡充策を近く議会承認の見通し
今後の課題
■ギリシャの12年予算案等の議会承認
■EFSF拡充策はオランダ、マルタの議会承認
■ギリシャ向け第2次支援の民間負担確定
■EFSF実質規模拡大案の具体化

EUの金融安全網、EFSFはユーロ圏17カ国が7800億ユーロの政府保証をつけ、現在の融資能力は4400億ユーロある。「実質的な規模拡大」はこの政府保証枠を変えずに融資能力を増やす仕組み。例えば、保証枠の1000億ユーロを使って域内の国債を購入する投資家の損失の5分の1を保証し、民間投資家らに保証分の5倍に当たる5000億ユーロの国債購入を促す。イタリアやスペインの国債を購入する投資家の一部損失をEFSFが負担する案などが有力となりそうだ。

その前段として、金融市場での国債購入や域内銀行への公的資金注入を可能にする機能拡充策があり、既に各国議会で審議中。規模拡大には金融安全網を大幅に強化することでイタリアやスペインなど大国への信用不安波及を抑え、金融市場の安定を図る狙いがある。

記者会見した議長のユンケル・ルクセンブルク首相は「効率的なEFSFの活用法について次回(11月の)会合で決める」とした。選択肢は明かさなかったが、欧州中央銀行(ECB)の資金供給と併用する案は「検討中の主な案ではない」と述べた。

一方、ギリシャ政府は10月末までの資金繰りのメドがついていると説明していることから、会合ではギリシャ向け第6弾融資(80億ユーロ)を承認するために検討していた13日の臨時会合開催をとりやめることを決めた。アテネ入りしているEUと国際通貨基金(IMF)の調査団がギリシャの財政再建策について十分に査定したうえで融資を承認する運びだ。

ユンケル氏は「誰もギリシャの債務不履行(デフォルト)を求めなかった」と強調。各国財務相はギリシャ政府が発表した12年予算案を「前向きな内容」(レーン欧州委員)と評価し、13~14年の追加策を求めることで中期的な財政再建を強く迫る。

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