2019年6月21日(金)

[FT]「原発は高くつく」 GEトップの発言は本当か

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2012/8/6 7:00
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「欧州では、ガス市場が米国の状況と同じにはなりそうもなく、各国の市場次第で原発プロジェクトは経済的に正当化できる。アジアでは、各国はまだ高価な輸入液化天然ガス(LNG)に依存しており原発プロジェクトは非常に魅力的なはずだ」

ドイツは原子力発電の廃止を決めた(6月27日、ドイツで解体中のビュルガッセン原発)=ロイター

ドイツは原子力発電の廃止を決めた(6月27日、ドイツで解体中のビュルガッセン原発)=ロイター

GEのライバル企業は、GEにとって原子力は小さな事業で、同社はもはや米国外では原子力産業の大きな勢力ではないと言う。

■需要減退や原発事故で条件が一変

だが業界幹部は、コストが上昇したことは否定できない。今では、国の補助金なしで新たな原子炉を建設できるという従来の主張は見当外れに見える。

2007年から2008年にかけて原子力の復活が勢いを増した頃、企業は電力価格が大幅に高くなると予想しており、原子炉建設に必要な莫大な投資はリスクが小さく見えた。各社は炭素価格も上昇すると予想し、石炭やガスを使った火力発電所は原子力や再生可能エネルギーに比べて不利になると考えた。

ところが多くの先進国では、景気後退でエネルギー需要と電力価格が予想より低く抑えられ、原発投資の条件は悪化した。

また福島の事故以降、規制当局は発電所の設計に補助電源システムなど追加の安全対策を要求している。フランス電力公社(EDF)と共同で原子炉建設を検討している英国のエネルギー企業セントリカのCEO、サム・レイドロー氏は「福島の事故後に一定の設計変更があったのは間違いない」と言う。だが、同氏は、コストの前提を変えた主な理由として、欧州の原発建設の進捗の遅さを挙げる。

■08年には40億ポンド、現在は70億ポンド

シティグループの公益事業担当アナリスト、ピーター・アサートン氏(ロンドン在勤)によると、英国で3.2ギガワット(GW)の原子炉を建設するコストの推定値は2008年に40億ポンドだったが、フラマンビルとオルキルオトの経験から、今では70億ポンドという。「原子炉1基当たり70億ポンドも払うとしたら、経済的にも政治的にも建設の正当化は非常に難しい」

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