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韓国「北朝鮮無人機」に衝撃 大統領府を撮影

ソウル北方の坡州で3月24日に墜落しているのが発見された無人機(左)と北朝鮮領に近い黄海上の島で3月31日に墜落した無人機(右)=韓国国防省提供共同

韓国に墜落した北朝鮮製とみられる無人機の分析が進み、韓国に衝撃を与えている。青瓦台(大統領府)を上空から撮影した写真などを発見。国の中枢まで侵入を許しただけでなく察知すらできなかったことが明らかになったためだ。

韓国国防省報道官は3日の記者会見で、韓国北西部の坡州(パジュ)に3月24日に墜落した無人機が「北朝鮮から来た可能性が高い」と述べた。政府として初めての公式見解だ。機体のバッテリーに書かれたハングルが北朝鮮独特のつづりだったことなどが根拠だ。

機体はレーダーで探知しにくいポリカーボネート製で、目視で発見されにくいよう水色などで塗られていた。韓国メディアは、機体下部に搭載されたカメラはキヤノン製で、無人機は1回の任務で約2時間、150キロメートル程度を飛べると報じた。

国防省関係者の話や報道を総合すると、無人機は24日午前に韓国に入り時速100キロメートル程度でソウル市中心部の大統領府上空に到達。北朝鮮に引き返す途中に坡州で墜落した。遠隔操作方式ではなく、事前に入力したプログラムに基づいて飛行したとみられるという。

この間に撮影した写真は193枚。無線装置はあるがカメラとは接続されていないため画像送信はできず、無人機が帰還後にデータを回収する仕組みだった。技術的な水準は低く、爆発物などの運搬能力も小さい。このため国防省は、現時点で北朝鮮がただちに無人機を対韓国テロに投入する危険性はないとしつつも「今後長期間改良を加えてテロに使う可能性は十分にある」と警戒する。

3月31日には黄海上の島、白●島(●は令に羽、ペンニョンド)にも、別のタイプの無人機が墜落。こちらも北朝鮮製の可能性が高いと国防省はみる。

韓国社会に与えた衝撃は大きい。韓国軍は2010年にも北朝鮮の無人機とみられる物体を黄海上空で確認していたが、今回は墜落するまでレーダーなどでも察知できず国内深くまで侵入を許した。東亜日報は「北朝鮮が1968年に武装工作員を送り込んで大統領府の裏山を突破したのと同じくらいの衝撃だ」と伝えた。小型の無人機を探知できる高出力レーダーを導入すべきだといった声も上がっている。

3月24日に墜落した無人機の分析結果がようやく出てきた点にも不信感が高まっている。防空体制の不備を批判されないよう、意図的に発表を遅らせたのではないかという見方が出ている。

無人機は近年、米国などが実戦に投入。各国も開発に取り組んでいる。今回の墜落機が北朝鮮製と確定すれば、韓国にとっては現実的な脅威になりそうだ。

(ソウル=小倉健太郎)

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