「緩やかな人民元高」演出いつまで… 弾力化2週間
対ドルで0.8%上昇

2010/7/3付
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中国の中央銀行である中国人民銀行が人民元弾力化を表明してから3日で2週間。2日の人民元相場の対ドルレートの終値は1ドル=6.7711元と先月18日に比べて0.8%上昇した。人民銀は緩やかな元高を演出してきたが、足元では景況感を示す製造業購買担当者景気指数(PMI)が鈍化。輸出に影響が出てくるようだと、元相場の上昇に歯止めをかけるとの見方が強まっている。

人民銀は先月19日に元相場の弾力化を発表し、「元相場を市場の情勢に応じて調整する」とした。その後、人民銀は売り買いの為替介入を繰り返しながら、対ドルレートを引き上げてきた。2日には一時、2005年7月の元切り上げ以降の最高値(1ドル=6.7696元)を更新した。

一方、対円や対ユーロレートはこの2週間で元安になった。対ユーロレートの終値は、0.07%安の1ユーロ=8.4660元。ドルに対して円高が急速に進んだ対円レートは、2.35%安の100円=7.7018元と元安が進行した。

人民銀はドルに連動する為替制度から、複数通貨に連動する「通貨バスケット」を参考にする管理変動相場制に移行すると強調したが、通貨バスケットの構成比率は公表していない。「他通貨とのレートの動きはドル連動時代と変わらない」(市場関係者)とされ、ドルの構成比率が高く影響力も依然大きいようだ。

対ドルでの元相場の上昇は、中小企業が担う繊維など付加価値の低い軽工業品の輸出採算にもじわり影響を与え始めている。「元相場が3%上昇すれば赤字になる」(浙江省の靴製造業)との声も上がる。

中国物流購入連合会が1日に発表したPMIは2カ月連続で低下。なかでも完成品在庫指数は1年7カ月ぶりに在庫拡大を示す「50」を上回った。市場では「貿易の動向次第で元安にかじを切る可能性も否定できない」との見方もある。

(上海=戸田敬久)

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