大統領選妨害なら対ロ追加制裁 米独首脳会談

2014/5/3付
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【ワシントン=川合智之】訪米中のドイツのメルケル首相は2日、米ホワイトハウスでオバマ米大統領と会談した。会談後の共同記者会見で、オバマ氏はウクライナ問題で「協力してロシアに代償を科す」と連携を確認。メルケル氏も「ロシアがウクライナ大統領選を妨害するなら追加制裁を科す」との意向を示した。

両首脳は会談で、緊迫するウクライナ情勢に対し、主要7カ国(G7)で協力して対処することの重要性を確認した。ただ、ドイツは対ロ追加制裁に慎重で、ロシアの独走を食い止めたい米側とどこまで足並みをそろえられるかが、ウクライナ情勢の沈静化の鍵になりそうだ。

G7の中でも米独の温度差は目立つ。4月30日の日独首脳会談でメルケル氏は「ロシアとの対話のチャンネルを取っておく必要がある」と述べ、ロシアの孤立は避けるべきだと強調。対ロ強硬派の米国とは対照的だ。

ドイツが対ロ制裁に慎重なのは、ウクライナなどを経由するパイプラインからロシア産天然ガスの供給を受けているためだ。ドイツは天然ガスの3分の1をロシアに依存する。貿易の結びつきも強固で、制裁強化は自国経済に打撃を与えかねない。

一方、米側が「残された最強のカード」(米政府高官)とみるのが、軍事やエネルギー、鉱工業などロシア基幹産業への分野別の追加制裁だ。4月28日に米が制裁対象を拡大した際にカードを切らなかったのは、ロシア軍が国境を越えウクライナに侵攻したときの切り札として残しておくためだった。

ただ分野別制裁は代償も大きい。カーニー米大統領報道官は1日の記者会見で「ロシア経済への分野別の制裁は、欧米や世界の経済に悪影響を与える」と認めた。別の米政府高官は「各国で制裁の内容は異なるだろう」と述べ、欧州などと足並みがそろわない可能性も示唆する。

米国家安全保障局(NSA)によるメルケル首相の携帯電話の盗聴疑惑で、米独関係にはすきま風が吹いた。今回の首脳会談では米独が連携を確認、関係修復をアピールした。さらに米が提案するのが、エネルギー分野での連携強化だ。欧州への天然ガスの輸出規制緩和などを検討、対ロ依存からの脱却を支援する。

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