2018年11月14日(水)

CIA元職員、亡命道筋見えず ロシアへの申請撤回

2013/7/2付
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米国からスパイ活動取締法違反などの容疑で訴追され、南米エクアドルへの亡命を申請した米中央情報局(CIA)元職員エドワード・スノーデン容疑者がモスクワ入りしてから2日で10日目を迎えた。エクアドルなど南米への出国の遅れを受けて申請したロシアへの亡命も撤回。反米感情を抱いていると考える国に手当たり次第に支援を求めているもようだが、受け入れを申し出る国はまだ現れていない。

内部告発サイト「ウィキリークス」は2日、元職員に代わって新たに19カ国に亡命や亡命支援を申請したと発表した。南米エクアドルとアイスランドも含め、元職員が亡命や亡命支援を求めた国は計21カ国に達した。

今回の申請先はドイツ、フランス、イタリア、ベネズエラなどで、欧州の国が過半を占める。欧州連合が米国家安全保障局(NSA)の監視対象になっているとする報道を受けて強まる欧州各国の反米感情を利用しようとしたとの見方もある。

ただ、元職員の試みは今のところ不発に終わっている。インタファクス通信によると申請先のうちドイツなど9カ国の当局者は受け入れに否定的な考えを示した。

亡命容認に前向きな姿勢を示しているベネズエラのマドゥロ大統領は2日、元職員の行動を称賛してはいるものの「彼は世界の保護を受けるべきだが、まだ我々に求めていない。求めたら回答する」と述べ、検討には一定の時間をかける考えを示唆。ボリビアのモラレス大統領も同様の姿勢を示した。

米国への引き渡しを拒んでいるロシアも、火種を抱え込む覚悟はないようだ。9月のサンクトペテルブルクでの20カ国・地域首脳会議や来年2月のソチ五輪を控えて対米関係の悪化を懸念しており、元職員に早く立ち去ってもらいたいのが本音とみられる。

ロシア外務省当局者によると元職員は6月30日、ロシアに政治亡命を申請。プーチン大統領は1日、元職員が一切の反米活動を停止しない限り亡命申請を受理できないとの考えを示した。

元職員にとってこれまでの自らの内部告発活動を否定するのは困難で、1日夜には米国を非難する声明を発表した。ロシアのペスコフ大統領報道官は2日、プーチン大統領の条件提示を受けて元職員が申請を撤回したと表明した。

ただ、ロシアにとって米国に引き渡すという選択肢も取りにくい。当局は表向きの理由として「条約を結んでいないから」としているが、米国の圧力に反発する世論を刺激したくないとの意識も働いているようだ。

(モスクワ=田中孝幸)

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