2019年1月23日(水)

米歳出の強制削減、大統領が署名 回避策で合意できず
21会計年度までに1兆2千億ドル

2013/3/2付
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【ワシントン=中山真】2021年度までに米連邦予算を総額1兆2千億ドル削減することを米政府に義務付ける制度が1日に発効した。オバマ大統領は議会側とギリギリまで調整したが、赤字削減に関する話し合いがまとまらなかった。4月以降に国防や生活に影響が出始める見込みで、与野党は回避に向けた協議を続ける。

オバマ大統領は同日、3月から自動的に歳出をカットする大統領令に署名した。

議会与野党トップとの協議決裂で記者会見するオバマ米大統領(1日、ホワイトハウス)=共同

議会与野党トップとの協議決裂で記者会見するオバマ米大統領(1日、ホワイトハウス)=共同

まず昨年10月から今年9月末までの13会計年度で850億ドルを削減する。例外扱いの経費などを除くと連邦予算の約1割が削られることになり、軍事活動の縮小や空港での要員削減などの影響が見込まれている。

3月27日までは前の会計年度と同水準の歳出を認める暫定予算がある。その後から9月までの予算でも、大統領令を踏まえて人件費や事業費などの削減を積み上げなければならない。歳出削減は国防費が中心で、13会計年度に13%程度減らす必要がありそうだ。大統領令を受け、政府は個別の予算ごとにどの程度削減するかを洗い出す。国防費以外も9%前後カットされる見通しだ。

オバマ大統領は1日の記者会見で、歳出の強制的な削減は経済成長率を0.5%押し下げ、75万人の雇用が犠牲になると強調した。そのうえで「共和党が歳入を増やすための税金の抜け道を防ぐことを拒否した結果だ」と述べ、与野党の協議が決裂したのは共和党の責任だとの認識を示しく批判した。

国防総省のカーター副長官は同日の記者会見で、文民職員の勤務日数を減らすための自宅待機に加え、兵士の訓練を削減したり、調達契約を延期したりするなどの措置など検討していると発表した。

オバマ大統領は「重要なのはすべての国民がこの痛みをただちに感じないようにすることだ」とも述べた。できるだけ早く削減措置を停止するために議会側と協議を続ける考えを示した。

13会計年度の暫定予算が失効する27日に向けて週明け以降も協議する。暫定予算が失効すると、予算が執行できなくなり、政府機関の窓口閉鎖などを余儀なくされる。オバマ大統領と議会は暫定予算の延長問題とあわせて予算削減措置を停止するための方策も話し合っていく方針だが、展望はなお開けない。

ホワイトハウスでの大統領と議会指導部との協議では、今回の削減措置を代替するための財政赤字削減策を巡って大統領・民主党と共和党が対立した。富裕層への課税強化など歳入増と歳出の削減を組み合わせて実現する必要があるとする大統領に対し、共和党側は社会保障などの歳出削減のみで実現すべきだと譲らなかった。

歳出の削減を政府に義務付ける制度は、11年の連邦債務上限の引き上げを決めた「財政管理法」で、1.5兆ドルの追加的な財政赤字削減策を議会が策定できなかった場合の「保険(トリガー条項)」として盛り込まれた。13年1月に始まる予定だったが、昨年末の「財政の崖」を巡る交渉で3月1日まで2カ月間延期されていた。

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