【カブール=共同】4月に予定されるアフガニスタン大統領選の選挙期間が2日始まり、本格的な選挙戦に突入した。駐留する国際治安支援部隊(ISAF)の戦闘任務終了を今年末に控え、国家再建への新たなリーダーを選ぶ重要な選挙。候補者11人による争いは混戦が予想され、各候補とも得票が過半数に届かなければ、上位2人による決選投票が行われる。
投票日は4月5日で、順調に行けば同月下旬に大勢が判明する見通し。憲法は3選を認めておらず、現職のカルザイ大統領は出馬していない。
候補者のアシュラフ・ガニ元財務相、アブドラ・アブドラ元外相らは2日、首都カブールで集会を開き、それぞれ数千人の支持者が集まった。
米民間調査会社などの調査によると、これまでのところガニ氏、アブドラ氏が支持を広げており、大統領の兄カユーム・カルザイ元下院議員、ラスル・サヤフ元下院議員、ザルマイ・ラスール前外相、アブドゥル・ラヒム・ワルダク前国防相らが追う展開となっているもようだ。
選挙では、治安維持も課題となっている。2009年の前回選挙では反政府武装勢力タリバンによるテロなどの影響で投票率が低迷。内務省は今年1月、6845カ所の投票所のうち414カ所について、治安上の懸念から開けない可能性があると明らかにした。
警備はアフガン国軍が主導するが、タリバンは各地で攻撃を強めており、選挙期間中の治安悪化への懸念は広がっている。
前回選挙では不正票で大きな混乱が生じており、公正な選挙を実施できるかも焦点の一つだ。