2019年9月16日(月)

[FT]製品の競争力低下こそが日本の問題

2013/2/1 21:56
保存
共有
印刷
その他

(2013年2月1日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

金融政策を巡り日銀と安倍晋三新政権との駆け引きが続いている。

日銀はついに政権からの圧力に屈し、2%の物価目標を導入したが、達成期限については「できるだけ早期に」との表現にとどめた。無制限の金融緩和も打ち出したが、導入は2014年となる。それでも、円売り・株買いの動きは根強い。果たして安倍政権に勝算があるのかという点ではなく、円安・株高基調がある程度続くとみている点で、市場は楽観的すぎる可能性がある。

安倍首相と日本の産業界は円高、さらに正確にはウォン安が主な問題だと捉えている。これはもはや事実ではない。円安が大幅に進んだとしても、世界の消費者はサムスン製の機器からソニーや東芝製に乗り換えようとはしないだろう。問題は通貨ではなく、製品の競争力低下にあるのだ。

安倍政権が打ち出した財政刺激策は確かに大規模だが、歴代政権と同様に民間投資や消費を刺激する大きな効果は望めない。

円相場は既に15%下落したため、修正が進みすぎたとの意見が大半だ。それでもなお、一段の円安に向け、日銀は近いうちに大規模な外債購入に踏み切らざるを得ないとの声もある。

これが現実になれば、事態は大幅に悪化しかねない。過度の円安に陥る危険が高まり、日本の国債市場と経済に負の連鎖が及ぶ。市場は現時点ではさらに大量の国債が供給され、円安が進む脅威を認識していない。

もっとも、今のところは楽観的な見方が優勢だ。そうした見方は4月に日銀の白川方明総裁が退任すれば一段と強まるだろう。主な後任候補は軒並み安倍首相に近い立場をとっているからだ。

だが、安倍首相の政策が誤りだったことが判明し、円安と国債利回り上昇の悪循環に陥れば、新総裁は白川総裁の比ではない悪夢のシナリオに直面する可能性がある。

(c) The Financial Times Limited 2013. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。