韓国、高速鉄道網の拡大構想 2020年メドに7兆円投資
【ソウル=島谷英明】韓国政府は1日、全国に高速鉄道網を拡大する構想をまとめた。2020年までをメドに主要都市間を最高時速200キロ超で走行できる路線で結び、全国土の95%の駅を2時間台で移動できるようにする。投資額は約100兆ウォン(約7兆円)。政府は構想が実現すれば地域経済の生産を年間90兆ウォン(約6兆4000億円)押し上げる効果があると見積もっている。
韓国では04年にソウルと釜山を最高速度300キロで結ぶ「KTX」が開通した。高速鉄道網の拡大構想はKTX専用線の拡充や在来線の最高速度引き上げなどが軸だ。KTXが運行中の区間では、大邱―釜山間で工事を進める専用線が今年11月にも開通する見込み。南西部、全羅道の木浦に延びる路線でも17年までに専用線の完工を目指す。関連事業の発注先は国内勢となる見通しだ。
在来線では直線化工事などを進め、主要都市を結ぶ路線の最高速度を段階的に230~250キロに引き上げる。仁川国際空港にも12年からKTXを運行する計画だ。
韓国政府は構想によって延べ230万人の雇用創出効果を期待する。1日あたりの鉄道利用客が25年に07年比約2.5倍に増えると試算しており、温暖化ガスの削減を後押しする効果も高いと説明している。