2019年6月20日(木)

[FT]緊縮財政なくしてユーロ救済はありえない

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2012/5/2 7:00
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スペインでは失業率が25%に近づいている。ギリシャでは自殺率が上昇し、英国の景気は二番底に入った。こうした痛みから上がる悲鳴は大きくなる一方だ。「欧州の財政緊縮策は危険だ。誰かがこの愚行を止めなければならない」

■「反緊縮」の機運高まる仏米

フランス大統領候補のオランド氏は緊縮財政を主張するドイツの有力者に立ち向かうとしている(4月29日、パリの選挙集会に参加したオランド氏)=ロイター

フランス大統領候補のオランド氏は緊縮財政を主張するドイツの有力者に立ち向かうとしている(4月29日、パリの選挙集会に参加したオランド氏)=ロイター

そこに登場するのが、来るフランス大統領選挙の本命候補であるフランソワ・オランド氏だ。同氏は緊縮財政を主張するドイツの有力者に立ち向かうという公約を掲げて選挙戦を展開している。

オランド氏の主張は欧州のみならず米国でも共感を呼んでいる。米国ではラリー・サマーズ氏からポール・クルーグマン氏に至るまで、経済学の大御所が口をそろえて欧州に財政緊縮策をやめるよう呼びかけている。クルーグマン氏は例の調子でさらりと、この緊縮策を「狂気のさただ」と形容している。

オランド氏は緊縮財政の代わりに経済成長を目指すと述べている。どうして誰もそれに気づかなかったのか? 残念なことに、中身のないスローガンは効果のない提案に支えられている。オランド氏のプログラムは、規模が小さく的外れな公共支出の拡大に重点を置く一方、持続可能な経済成長に至る唯一の道である構造改革については、ほとんど無視しているのだ。

■インフラ整備では救済できず

もちろん、インフラ整備支出――米国のバラク・オバマ大統領はこれを「すぐにもパワーショベルを動かせる」プロジェクトと呼んだことがある――は、景気後退のスパイラルに陥った経済にケインズ経済学が示す標準的な解決策だ。普通の状況であればこの支出は名案かもしれない。

しかし、今の欧州にはこれに懐疑的になる理由がたくさんある。もし立派な道路や鉄道の建設が持続的な繁栄につながるのであれば、ギリシャとスペインは好況にわいているはずだ。両国ではこの30年間、多額の資金がインフラ整備支出に惜しみなく使われた。欧州連合(EU)がスポンサーだったことも少なくなかった。

アテネの地下鉄は素晴らしいし、スペインの高速鉄道AVEも見事だ。ところがこの種の支出は、両国の根本的な問題、特に若年層の失業の解決にはほとんど貢献しなかった。

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