2019年2月16日(土)

スー・チー氏当選へ ミャンマー補選、野党圧勝
米欧、選挙の「公正さ」どう評価

2012/4/2付
保存
共有
印刷
その他

ミャンマー民主化改革の試金石である連邦議会補欠選挙が1日投票され、即日開票が始まった。アウン・サン・スー・チー氏率いる野党、国民民主連盟(NLD)の国民人気は高く、NLDの独自集計ではスー・チー氏を含めて9割の選挙区で勝利したもよう。ただ同氏は投票日前の記者会見で、選挙戦では旧軍事政権系の与党による不正行為が頻発したと批判した。補選が自由・公正に実施されるかを同国に科す経済制裁の緩和・解除に向けた条件と見なす米欧が、選挙の過程や結果をどう評価するかが焦点となる。

投票は午前6時(日本時間同8時半)から午後4時まで行われた。上院6、下院37、地方議会2の計45議席を、17政党から立候補した168人が争った。昨年3月に発足したテイン・セイン政権の全閣僚33人のうち、26人が2010年総選挙の当選者。閣僚は議席を返上する規定があるため、その補充を含めた大型の補選となった。下院の37議席は軍人枠を除く民選枠定数(330)の1割強を占める。

補選は44選挙区に候補者を立てたNLDと、全選挙区に擁立した与党・連邦団結発展党(USDP)の事実上の一騎打ちで、選挙管理委員会によると、正式な結果は1週間以内に判明する見込み。NLDのニャン・ウィン選挙対策本部長は独自集計により、最大都市ヤンゴン郊外コムーの下院選挙区に立候補したスー・チー氏を含む40議席を獲得できたとの見通しを明らかにした。スー・チー氏は活動の舞台を国会に移すことになる。

スー・チー氏は1日午前7時ごろ、コムー地区のワーティンカ村の小学校に設置された投票所に姿を見せた。投票所の様子を確認し、支持者に手を振りながら車で次の視察先へと向かった。

投票を終えた女性教師のチェリーさん(27)は「この村を変えてくれる人を選んだ。もちろんマザー・スー(スー・チー母さん)です」。農家のティンウーさん(48)は「国の利益になることをやってほしい」とNLDに期待を寄せた。

10年の総選挙ではUSDPが上下院定数の8割の388議席を獲得。補選でNLDが大勝しても国会勢力図に変化はないが、米欧から制裁解除を引き出すうえで有利に働く。このためテイン・セイン政権は10年選挙で拒否した国際選挙監視団や外国人記者を受け入れ、投票所外からの監視を認めるなど「自由で公正な選挙」をアピールした。

ただUSDPにとっては、大敗すれば開票の不正が取りざたされた10年選挙の正当性が再度問題視されかねないうえ、15年の次期総選挙にも暗い影を落とす。スー・チー氏によると、NLDの選挙運動の妨害や買票のほか、NLDに票が流れるのを妨げるため、一部の有権者を名簿から外して物故者を加えるなどの不正行為があったという。

一方、米欧からは「国際監視団の受け入れは大きな進歩だが、投票日直前では国際基準を満たしていない」(米国務省)との指摘も出ている。(コムー〈ヤンゴン郊外〉=高橋徹)

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報