香港、返還15周年で大規模デモ 「親中」政権に圧力

2012/7/2付
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【香港=川瀬憲司】中国への返還15周年を迎えた香港の中心部で1日、中国の主権下で香港に幅広い自由などを認める「一国二制度」の形骸化懸念などを背景に市民らが大規模デモを展開した。記念式典では、現地入りした中国の胡錦濤国家主席が同制度の堅持を表明したが、主催者発表では約40万人がデモに参加。対中不信が表面化した形で、同日発足した「親中派」の梁振英(C・Y・リョン)政権は難しいかじ取りを迫られる。

香港中心部で返還15周年の大規模デモを展開する市民ら(1日午後)

香港中心部で返還15周年の大規模デモを展開する市民ら(1日午後)

デモ参加者数は民主派団体「民間人権陣線」の同日夜の推計。想定の5万人を大きく超え、50万人以上が参加して国家安全条例の制定を阻んだ2003年などに次ぐ規模。少なめに積算する警察は約6万3000人と発表し、数字に開きがあるが、昨年の約22万人を超えたのは間違いないようだ。

デモには自由の後退への不満を表すために英国植民地時代の香港の旗を掲げたり、中国の民主活動家、李旺陽氏の不審死の真相究明を求めたりする人々らが繰り出した。23歳の男性は「民主化が中国に後退させられてはいけない」と語った。

「一国二制度」の扱いを巡っては同日午前、記念式典で演説した胡主席が「今後も全く揺るがない」と力説。だが、その最中に会場の男性が「天安門事件の評価を見直せ」「一党独裁を終わらせろ」と叫んで警備員に取り押さえられる一幕もあった。

香港では同日、政府トップに梁振英行政長官が就任した。梁氏は中国政府の介入が取り沙汰された3月の選挙で当選し、本人は否定するものの「隠れ共産党員」疑惑もある。1日のデモでは「梁振英、下台(退陣せよ)!」の掛け声も響いた。中国の関与拡大を危惧する香港市民が法治主義や言論の自由などを守る姿勢を新政権に迫った格好で、就任早々から梁氏の政権運営にも圧力がかかりそうだ。

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