2019年9月16日(月)

エジプト軍「実力行使せず」 デモ拡大で声明
副大統領は野党と交渉表明

2011/2/1付
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【カイロ=花房良祐】ムバラク大統領に対する退陣要求デモが続くエジプトで31日、政権存続を左右する存在として注目されていた軍がデモ隊への実力行使をしないとの声明を発表した。スレイマン副大統領は同日「憲法改正も含めた交渉を野党と直ちに開始する」と野党との対話方針を初めて表明した。一方、反政権側は、野党各勢力が同日の会合で現政権に代わる"受け皿"作りを議論したほか、1日にはカイロ市内で100万人規模のデモを計画している。

エジプトの反政府デモ続く。2月1日には100万人規模のデモを計画(1月31日)

エジプトの反政府デモ続く。2月1日には100万人規模のデモを計画(1月31日)

エジプト情勢は、政権と野党勢力による話し合いで米欧などが期待する「秩序ある移行」に向かうか、デモに伴う混乱拡大で政権が短期間に崩壊し権力の空白が生じるかどうかの瀬戸際の局面に入ってきた。

エジプト軍は31日、「平和的な表現の自由を保障する。軍は民衆に武力を行使しない」との声明を発表した。1日の100万人デモの直前になって軍がデモ隊への実力行使をしないと表明したことで、ムバラク政権を取り巻く情勢は厳しい方向に傾いた。

スレイマン副大統領は31日のテレビ演説で、将来の憲法改正などに向け、野党と話し合うと表明した。現憲法によると、大統領選への無所属候補の出馬は人民議会(国会)などの議員計250人以上の推薦が必要で、野党勢力の代表格になりつつあるエルバラダイ前国際原子力機関(IAEA)事務局長の立候補は事実上不可能だ。副大統領はこうした問題点を議論することを示唆した。

一方、AP通信によると野党勢力は31日、各勢力の代表者ら30~40人が集まり"ムバラク後"をにらんだ会合を開いた。野党の中心的存在であるイスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」に対しては欧米諸国が強い警戒感を持っていることを踏まえ、同胞団は野党勢力内の協議では主導権をとらずに存在感を薄め、政権移行への欧米の支援を得たい考えとみられる。

カイロ中心部では31日夜もデモ隊が夜間外出禁止令を無視してムバラク大統領の退陣を求めた。各国はエジプトにいる自国民の待避を続けたり、自国大使館の警備を強化するなど、不測の事態への備えを急いでいる。

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