独メトロ、中・東欧のスーパー事業売却 1180億円で仏大手に
【ジュネーブ=原克彦】ドイツの流通大手メトロは30日、ポーランドなど中・東欧の大型スーパー事業を11億ユーロ(約1180億円)でフランスの小売り大手オーシャンに売却すると発表した。メトロは欧州債務危機の影響で業績が悪化しており、事業売却で負債を圧縮する。
メトロが売却するのはポーランド、ルーマニア、ロシア、ウクライナの4カ国で展開する「リアル」の91店舗。年間売上高は26億ユーロ。同社は主力の会員制卸売店や家電量販店に強みを持つが、ハイパーマーケットと呼ばれる大型スーパーは不振。負債圧縮に加え、得意分野に経営資源を集中する狙いがある。
オーシャンは今回対象の4カ国で既に98店を運営、中東欧の店舗網拡大に弾みを付ける。将来は店名をオーシャンに変更する。トルコのリアルは引き続きメトロが運営する。オーシャンはトルコに進出しておらず、相乗効果を見込めないと判断したもようだ。