円安・ユーロ高の影 ルイヴィトン15日から値上げ
【パリ=竹内康雄】フランスの高級品大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン(LVMH)は31日、日本で販売する製品価格を2月15日から引き上げると表明した。足元の円安・ユーロ高の進行を受け、為替水準に合わせて価格を改定する。ベルナール・アルノー最高経営責任者(CEO)が31日の2012年決算発表の記者会見で明らかにした。
アルノー氏は価格の引き上げ幅には言及せず、別の幹部も「現段階では言えない」と述べた。アルノー氏は「13年の業績を見通す上での唯一の影は為替相場だ」とも語り、ユーロの動向を注視する考えを示した。
同日発表した12年通期決算は売上高が前期比19%増の281億ユーロ(約3兆4500億円)、最終利益が12%増の34億ユーロだった。新興国の経済成長による消費者の購買力増加が寄与し、主要地域で売上高は軒並み増。債務危機にある欧州もアジアなどからの観光客が販売増に貢献し7%増えた。
ユーロ相場は昨年、欧州債務危機のあおりで大幅に下落したが、日本の追加金融緩和観測を背景に足元では円安・ユーロ高が進行。ほぼ2年9カ月ぶりに124円台前半をつけた。円の支払いはLVMHの12年の売上高の8%を占めており、為替水準が大きく動いたため、製品価格の調整が必要だと判断したようだ。
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