対中、日米調整を緊密に 人的ネットワークを再構築
日経・CSISバーチャル・シンクタンク提言
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日経・CSISバーチャル・シンクタンクが23日発表した2つの提言は、「日米同盟」と「エネルギー」という戦後の日本の繁栄を支えてきた政治・経済の基盤を取り上げ、改革の方向性を論じた。東アジアの安全保障環境が厳しさを増すなか、日米同盟の強化は文字通り日本の命綱となっている。福島第1原子力発電所の事故を契機に抜本的な見直しが進む電力事業についても、国力の安定・強化を図るという視点が欠かせない。
「アジアの世紀と日米の絆」の骨子■(1)平時から運用できる、省庁横断的な日米の調整メカニズムを構築する(2)日米地位協定の抜本的な運用改善を随時、求めていく(3)「策源地攻撃能力」は「拡大抑止力」との関連を踏まえ、慎重に議論する(4)同盟の基盤を支える日米間の人的ネットワークを再整備・強化する(5)中国の軍事的台頭には、日米が足並みを揃えて「静かに」備える(6)中国との重要な接触・交渉では、日米は相互に十分な説明責任を果たす
日経・CSISバーチャル・シンクタンクがまとめた日米同盟体制に関する政策提言書「アジアの世紀と日米の絆」では、「日米同盟の重要性と国際安全保障に関する日本の役割についていま一度、議論を深めていく必要がある」との認識に立って、日米両国を取り巻く新たな安全保障環境に効率的に対応していくための包括的な道標を提示している。
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提言は第1期第1部会座長代行を務めた久保文明・東京大学教授と上級フェローの佐橋亮・神奈川...
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