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非正社員はさらに増えるか 創論・時論アンケート

2013/5/12 3:30
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日本経済新聞は毎週日曜日、国内外の重要なテーマについて各界の論客の意見を紹介する「創論・時論」を掲載しています。これにあわせて電子版では読者アンケートを実施しています。今回の質問は(1)働く人に占める「非正社員」の比率は今後、現在の35%強からさらに上昇すると思うか(2)解雇無効の判決が出た場合に、職場復帰でなく金銭で解決する制度の導入に賛成するか――です。皆さんのご意見をお聞かせください。選択肢にない回答などもコメント欄で受け付けます(今回のアンケートの受付は終了しました)。

読者ネットアンケート

(1)働く人に占める「非正社員」の比率は今後、現在の35%強からさらに上昇すると思いますか。

(2)解雇無効の判決が出た場合に、職場復帰でなく金銭で解決する制度の導入に賛成しますか。

受付は終了しました

総務省が4月末にまとめた労働力調査(3月分、速報)によれば、働く人(役員をのぞく雇用者)は5142万人で、うち正社員(正規の職員・従業員)が3255万人、非正社員(非正規の職員・従業員)が1887万人。割合にすると、正社員63.3%、非正社員36.7%となります。

以前はどうだったのでしょうか。データをさかのぼると、1980年代までは正社員が8割を超えていましたが、2000年代に入ると7割を下回るようになります。パート・アルバイトを中心とする非正社員層が膨らみました。

グローバル競争の激化などを背景に、企業がより柔軟にコスト調整できる非正社員を活用する動きが広がったのが一因でしょう。すると、現時点でざっと働く人の3人に1人という非正社員の割合はさらに高まるのでしょうか。

産業界には正社員を解雇しやすくするルールの整備を求める意見があります。単純に正社員を減らしていこうというわけではありません。解雇規制が緩和されれば、必要なときに正社員を雇用しやすくなるという発想です。企業は決して「アンチ正社員」ではないのです。

一方で働く側の意識も変化しています。必ずしも正社員という地位を求めず、自分の都合に応じて働きやすい非正社員の道を選ぶことが一般化してきたのも見逃せません。最近ではインターネットに代表されるIT(情報技術)が進化し、システム開発やデザインなど国内外のさまざまな仕事を好きなときに好きな場所で引き受けるといったワークスタイルも可能になっています。

今後の正社員、非正社員のバランスを考えるうえでは、こうした働き方の選択肢の広がりも考慮する必要がありそうです。

元の雇い主を不当解雇で訴えた人が勝訴した場合、補償金で雇用契約を解消することを認める制度の検討も積み残された課題と言えます。現在は裁判で勝っても職場復帰という道しかありませんが、金銭解決制度があれば、金銭を受け取って退社するという選択肢が生まれます。

経営側は「問題の早期解決につながる」と歓迎姿勢を示していますが、「企業は解雇をためらわなくなり、安易な解雇が増える」と警戒する労働組合側との意見の隔たりが大きいのが実情です。

安倍晋三政権は成長戦略重視を掲げていますが、解雇規制の緩和の議論はなかなか進みません。日本経済を見渡せば、雇用の流動化を促し、産業の新陳代謝を進めることが急務です。雇用問題は日々の生活に直結するテーマなだけに、多様な考え方が複雑に絡み合う難題なのは間違いありません。

ただ、だからこそ広く国民的議論を起こして、妥当な解を導き出す努力を怠れないのではないでしょうか。皆さんのご意見はいかがですか。コメントをお寄せください。

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