2019年8月26日(月)

世界を歩くための宗教の基礎知識
戦後史の歩き方(8) 東工大講義録から

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2013/7/8 3:30
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日本経済新聞 電子版
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今回は宗教について考えてみましょう。将来、出張や赴任などで海外へ行くことがあると思います。日本に生まれ育つと、なかなか宗教がよく分からないでしょう。現地の人々と交流を深めていく上で、宗教はその国の文化や歴史を知る大きな手がかりとなります。これからのグローバル化の時代、宗教の基礎だけでも学んでほしいと思っています。突然、怪しげな新興宗教団体の勧誘を受け、話を聞くと、ころりと信じてしまうのではないか。宗教がどんなものなのかを基礎的に知っていれば、そんなに簡単に引っかかることなく免疫を持てるのではないかと思うのです。

■オウム真理教を知っていますか

昨夏、MIT(マサチューセッツ工科大学)のビジネススクール(スローン校)で学ぶ日本人学生たちに会いました。その時、学生たちが「米国人学生や海外留学生たちが宗教のことを話すときにまったくついていけず、何も語ることができなくて困っています。もっと宗教のことを勉強しておくべきでした」と異口同音に反省していたことが印象的でした。

中東のサウジアラビアなどに入国するときの入国書類を書く際は、名前を書き、次に自分の宗教を書く欄があります。かつて日本の若者が、「そんなものないや」と「none(無し)」と書いたのです。そうしたら、入国審査で身柄を拘束され、国外追放になったそうです。現地の彼らにしてみると、「神様を信じていないようなヤツは、神を恐れぬ人物だから、どんな恐ろしいことをするか分からない。テロリストじゃないか。そんな危険人物をわが国に入れるわけにはいかない」と判断したようなのです。

いまから20年ほど前、オウム真理教が日本国内で爆発的に信者を増やしました。1980年代にできて、信者数が1万人、出家信者が1,400人にまで教団が大きくなりました。麻原彰晃という人物が教祖でした。とりわけ、理科系のエリート大学生が次々に信者になり、東京工業大学の学生でも信者になった人がいました。

オウム真理教は、富士山麓の山梨県上九一色村(当時)に生成プラントを建設し、大学で学んだ知識を使って猛毒の…

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