2019年2月16日(土)

ハワイ島に世界最大の望遠鏡 日米中など建設へ
第2の地球、観測期待

2012/9/1付
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日本や米国、中国など5カ国が世界最大の望遠鏡を米ハワイ島マウナケア山頂に建設する。総額1500億円を投じ、2014年度に着工、21年度の完成を目指す。現在運用中の望遠鏡の性能を大きく上回り、誕生間もない宇宙や最初の星、生命体がすむ第2の地球の観測が期待される。

反射鏡の直径は30メートルに及ぶ(完成イメージ、国立天文台提供)

次世代の光学赤外線望遠鏡「TMT」の建設には、カナダやインドも参加する。10月にも覚書を結び、14年1月にも建設を正式に決める。

望遠鏡に必要な先進技術の開発や巨額の建設費を一国で担うのは難しく、宇宙観測で先行する日米などに、資金力をつけた中印が組む。両国はロケット打ち上げで実績を残しつつあり、宇宙観測という基礎科学分野でも国際的な存在感を高める思惑がうかがえる。

1500億円は米国が35.5%、日本が25%、カナダが17.8%、中国が11.2%、インドが10.5%を引き受ける予定。日本が負担する375億円の一部を文部科学省が13年度予算案の概算要求に盛り込む方針だ。

宇宙のかなたにある天体の像を拡大する反射鏡の直径が30メートルある。現在最大級の米ケック望遠鏡(同10メートル)や日本のすばる望遠鏡(同8.2メートル)などを上回る。すばるよりも光を集める能力は13倍高く、解像度も4倍近く上がる。地球と太陽の距離の約200億倍離れた宇宙にある惑星を判別できるという。

光が地球へ届くまでに長大な時間がかかるため、宇宙観測では遠いものほど古い姿を映す。137億年前に誕生した宇宙のうち129億年前の銀河までが、すばる望遠鏡で観察できている。次世代望遠鏡では宇宙の成り立ちを最初から解明し、太陽系の外で地球に似た惑星や、宇宙を満たす正体不明の物質「暗黒物質」なども調べる。

日本は国立天文台や企業が反射鏡を作る。小型の反射鏡を492枚組み合わせて、1枚に仕上げる。米国はカリフォルニア大やカリフォルニア工科大が観測カメラや望遠鏡の駆動装置を開発。中国は国家天文台、インドは科学技術省が主要部品の周辺の機器を担う。

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