福島第1原発、仮設防潮堤を建設 東電が余震・津波対策

2011/4/30付
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東京電力は30日、福島第1原子力発電所で、今後の大規模な余震と津波を想定した対策に着手すると発表した。発電所南東側に仮設防潮堤を建設する。放射性物質を含む汚染水のたまったトレンチ(坑道)の一部をコンクリートで埋める。水素爆発の影響で耐震性が落ちた4号機の使用済み核燃料プールも補強する。7月末までに一連の対策工事を終える予定だ。

東電は複数の専門家が注意を呼びかけるマグニチュード(M)8級の余震を想定している。松本純一原子力・立地本部長代理は30日の記者会見で「事故収束への道筋において最大のリスクが余震と津波」とした。

仮設防潮堤は3、4号機タービン建屋の東側から南側にかけて建設する。石を詰めた金属製のかごを積み重ね、間に遮水シートを挟んで水の浸入を防ぐ。津波の高さは最大10メートルを想定。タービン建屋は標高10メートルの場所にあり、1、2メートルの防潮堤を築けば、浸水が防げるとみている。6月中旬までに工事を終える。

3月11日の東日本大震災で福島第1原発を襲った津波の高さは推定14~15メートル。仮にまた浸水した場合に備え、発電機、消防車、高所から放水できるコンクリートポンプ車の予備機をさらに高台に配備する。

敷地内の地下を走るトレンチには、高濃度汚染水がたまっており、地上への開口部から海に漏れる懸念がある。5月中旬までに開口部の一部をコンクリートで塞ぎ、浸水しても汚染水が海に漏れないようにする。

4号機の使用済み核燃料プールでは、新たに下部に鋼の支柱とコンクリートの支持壁を作り、隙間を充填剤で埋めてプールの重さを支える。5月上旬から工事を始め、7月末までに終える。

経済産業省原子力安全・保安院は30日、1号機の原子炉ごとを水に浸す「水棺」作業の安全性に関する報告書を提出するよう東電に指示した。原子炉等規制法に基づく措置で、格納容器に水を満たしても強度に問題がないかなどを再評価するよう求めている。

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