質量の98%は「南部氏の理論」で説明 ヒッグス粒子のヒントにも
「ヒッグス粒子」発見(3)

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2012/7/29 7:00
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米シカゴ大学名誉教授の南部陽一郎氏
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米シカゴ大学名誉教授の南部陽一郎氏

 「物質にはなぜ質量があるのか」。この根源的な謎の解明に最初に道筋をつけたのが米シカゴ大学の南部陽一郎名誉教授だ。ヒッグス粒子のアイデアも南部名誉教授の「自発的対称性の破れ」がたたき台になっている。ヒッグス粒子の発見はもう間近だ。欧州合同原子核研究機関(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)が掲げる最大の目標は秋にも達成される。ヒッグス粒子の発見は「つきつめれば、南部理論の正しさを裏づけることにほかならない」と多くの物理学者は指摘する。

 万物の質量の起源とされるヒッグス粒子だが、実は同粒子で生まれる質量は物質全体の2%にすぎない。物質を分子、原子、原子核、陽子や中性子と細かく分割していくと、最後にはクォークと呼ぶ素粒子に行き着く。6種類あるクォークは宇宙誕生の大爆発であるビッグバンの直後、みな光の速さで飛び回っていた。宇宙が冷えてくると、クォークにブレーキをかける力が生じ、質量を獲得した。これはヒッグス粒子の働きによるものだ。

 物質の原子核を構成する陽子や中性子はクォークが3つ結びついている。陽子はアップクォークが2個とダウンクォークが1個、中性子はダウンクォーク2個とアップクォーク1個でできている。しかしクォーク3個分の質量は陽子や中性子の質量のわずか2%にしかならない。他にも質量を生み出す仕組みが必要になる。それを説明するのが南部理論だ。

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 質量は粒子の「動きにくさ」で説明される。ヒッグス粒子は宇宙誕生時に水蒸気のように真空を満たしていたが、1000億分の1秒後に水や氷のような状態に変化した。「相転移」と呼ぶ現象で、光の速さで動いていた素粒子はヒッグス粒子と衝突して抵抗を受けるようになった。この動きにくさが質量として観測される。

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