2019年5月22日(水)

汚染水除去を最優先 福島原発、破損場所の特定急ぐ

2011/3/26付
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東京電力福島第1原子力発電所では1、3号機タービン建屋地下の水たまりで高濃度の放射性物質が検出され、1号機で水を取り除く作業を急いでいる。原子炉とタービン建屋をつなぐ配管が損傷して水が漏れた可能性が指摘されており、破損場所の特定も必要。今後漏水が拡大する恐れもあり、復旧作業は厳しい状況が続いている。

記者会見する東京電力の担当者(26日午前、東京都千代田区)

記者会見する東京電力の担当者(26日午前、東京都千代田区)

1、3号機の水で検出された放射性物質は、通常運転時の炉心の水の1万倍という高い濃度で、復旧作業の妨げになる。このため1号機では汚染された水をポンプでくみ上げ、とりあえず復水器にためておく排水作業を進めている。復水器は本来、タービンを回した水蒸気を冷やして水に戻す設備。2、3号機タービン建屋の水は量が多すぎて排水方法を検討中という。

たまっていた水について東電は放射性物質の種類と濃度を25日に分析、3号機ではセリウム144とヨウ素131の濃度が特に高かった。1号機も同様にヨウ素131などが高かった。

経済産業省原子力安全・保安院は、原子炉内の水が漏れ出た可能性が高いとの見解を示している。使用済み核燃料プールの水では高濃度の放射性物質は想定しにくいからだ。

また、ヨウ素131の濃度が高かったことも理由。使用済み核燃料プールだとしたら半減期が8日と短いヨウ素131はすでにほとんどなくなっているはずで、地震発生直前まで運転していた原子炉の水とみるのが自然なためだ。

原子炉内の水が漏出した原因は定かではないが、保安院は「圧力が保たれているので、原子炉にひびが入っていることはない」とし、配管や弁から漏れた可能性が高いとみている。原子炉からタービン建屋には水蒸気を送る管などがあり、これらの一部で破損し、水が漏れた可能性がある。

陸上自衛隊が23日に撮影した福島第1原発の(右から)1号機、2号機、3号機、4号機

陸上自衛隊が23日に撮影した福島第1原発の(右から)1号機、2号機、3号機、4号機

通常、原子炉でつくられた水蒸気は「主蒸気管」と呼ぶ配管を通ってタービンに送られる。冷やされた水は復水器から「復水管」という配管を通って原子炉に戻る。これら2つが主要な配管だが、ほかの配管の可能性もある。

ただ、本来、配管は地震対策が施され「非常に頑丈で壊れるとは考えにくい」(東京工業大学の沢田哲生助教)ものだという。

北海道大学の奈良林直教授は配管の破損のほかに、「格納容器のどこかに破損があってそこから漏水し、なんらかの原因でタービン建屋へ水が流れ込んだ可能性もある」とみている。格納容器の本体と圧力抑制室をつなぐ接続部は以前から弱いと指摘されており、そこが壊れたかもしれないという。格納容器の破損で漏水しているなら「現段階では放射線量が高いので、すぐに直して水漏れを止めるのは不可能」とみる。

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