2019年7月21日(日)

脳からニーズを探る アサヒビール、「おいしい」を解析

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2012/10/6 12:00
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ビールを飲みながら語り合うサラリーマン。居酒屋の風景かと思いきや、何だかいつもと様子が違う。頭に特殊な装置をかぶり、その横には研究員が座りモニターをじっと見つめている。

■飲酒時に研究

実はここは研究所の一室。着けているのは脳を流れる血液の量の変化を測定する「光トポグラフィー」という最先端の装置だ。アサヒビールが取り組んでいる「おいしさを目で見えるようにする」研究のひとこまだ。

同社が注目したのは脳科学だ。ひとくちにおいしいといっても、感じ方は人によってまちまち。それならば「おいしい」と感じた時の脳を計測すれば、証しとなる。研究を積み重ねていけば「舌を通じて脳が感じているおいしさまで分かるかもしれない」。同社酒類開発研究所の清水二郎所長はこう期待する。

食品業界では経験則から「パッケージが高級だとおいしく感じる」「おふくろの味と似た食品の評価は高い」などといわれてきた。これらが脳科学で裏付けられつつある。「確実に売れる商品の法則」を見つけ出し、スーパードライに並ぶ大ヒット商品を作り出すのが同社の目標だ。

最終的には「おいしくて楽しい食事とは何かを突き止め、思い出に残る食卓を提供するサービスにつなげたい」(清水所長)。

CDの売り上げ予想は消費者アンケートよりも脳活動の計測結果の方が信頼できそうだ――。こんな実験結果が米科学誌に昨年掲載され、音楽業界の話題を呼んだ。

研究したのは米エモリー大学。27人に無名アーティストの楽曲60曲を試聴してもらい、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)で脳の血流を計測した。併せて、曲が好きかどうかも尋ねた。

3年後の実際の楽曲の売れ行きは、アンケート結果とは関係なし。一方、脳内の「報酬系」と呼ぶ部分の反応具合とは比例していた。脳科学は目には見えない消費者の潜在的な嗜好まで掘り起こし、数値で明示してくれるとの期待が高まる。

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