2019年1月20日(日)

3号機の作業難航 福島第1原発、被曝事故で
水たまり、炉心の水の1万倍の放射性物質

2011/3/25付
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東京電力福島第1原子力発電所で作業員が24日に高い線量の放射線に被曝(ひばく)した事故で、東電は25日未明に記者会見し、3号機タービン建屋内にたまった水から高濃度の放射性物質が検出されたと発表した。原子炉運転時の炉心の水と比較して約1万倍に相当するという。経済産業省原子力安全・保安院は同日午前、「原子炉がどこかで損傷している可能性もある」とコメントした。

タービン建屋は1階部分でつながる形で原子炉建屋に隣接する。ここで異常に高い数値が検出された理由を、東電は「燃料棒が損傷し、事故現場の周辺に漏れてきた可能性がある。水が流れてきたルートについては調査中」としている。復旧作業の大きな障害になりそうだ。

3号機では協力会社の作業員3人が24日、被曝した。現場から戻った後に身につけていた放射線計測器を調べたところ、173~180ミリシーベルトの放射線量に達していた。

3人のうち2人は両足の皮膚に放射性物質が付着し、やけどに似た症状があらわれる「ベータ線熱傷」の疑いと診断され、福島県立医大(福島市)に運ばれた。25日中に千葉市の放射線医学総合研究所に転院する予定。

作業員3人が被曝した現場の水から高濃度放射性物質が検出されたと発表する原子力安全・保安院の担当者(25日)

作業員3人が被曝した現場の水から高濃度放射性物質が検出されたと発表する原子力安全・保安院の担当者(25日)

3人が作業をしていたタービン建屋の地下1階にたまった水を東電が分析したところ、放射性物質の濃度が1立方センチあたり390万ベクレルだった。この濃度は通常の圧力容器内の水でも数百ベクレル程度という。セシウム137などの放射性物質も検出されており、燃料棒が大きく損傷しているか、溶けている可能性も考えられる。

海江田万里経済産業相は25日、放射線量を測定・管理する放射線管理員が現場に同行していなかったことを明らかにした。保安院は東電に対し、放射線の管理体制を改善するように口頭で指示した。

東日本大震災後、1~3号機では緊急手段として消火ポンプを使って海水を注入し、炉心が過熱しないよう対処してきた。効率のよい真水による冷却に切り替えるため、3号機のタービン建屋では24日に「復水補給水系」ポンプを動かして、真水を圧力容器内に送り込む準備作業が進められていた。作業は被曝事故で中断された。

1号機も23~24日に原子炉の温度や圧力が一時急に高くなるなど、深刻な状況が続いている。2号機でも真水注水による冷却が検討されているが、作業は手間取っている。

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